◆今日の内容を10秒でチェック!
・日経平均は一時4200円安…原油急騰で景気悪化懸念
・株式売出しの清水建設が下落、デンソー買収期待のロームは続伸
・戦争は長期化の恐れ、注目株は逆行高銘柄
●【1】今日の株式相場&話題株 早わかり!
3日ぶり大幅反落…原油急騰で景気悪化懸念、一時4200円安
【今日の相場】
日経平均株価は3日ぶり大幅反落! 6日の米国市場では主要株価指数がそろって下落した。中東情勢の混迷を背景としたエネルギー価格の急騰による景気悪化が懸念された。また、2月の雇用統計は予想外に雇用者数が減少し、スタグフレーション(景気停滞下での物価上昇)が警戒された。日経平均株価は一時5万1407.66円(-4213.18円)まで下落。イランの後継指導者に反米保守派が選出され、戦争の長期化が懸念された。ニューヨーク原油先物価格は1バレル=110ドル前後まで急伸。トランプ米大統領が地上特殊部隊の投入を検討しているとも伝わり、リスク回避の売りが続いた。終盤には1000円ほど下げ幅を縮める場面があったが、下落幅は史上3番目の大きさとなった。
混迷するイラン情勢などを背景に、金融市場の不安定感は一段と強まった格好だ。今後を占う上での焦点、波乱相場でとるべき投資戦略、注目の銘柄とは…今日のX(旧ツイッター)の音声チャット「スペース」配信でこれらについて解説しているので、今後の参考にしてほしい。
⇒https://x.com/ZAiClub/status/2030855706686169287
【日経平均】52728.72円↓↓
(-2892.12円)
【グロース250】743.09↓↓
(-27.71)
【NYダウ】47501.55ドル↓
(-453.19ドル、6日)
【ナスダック】22387.679↓↓
(-361.307、6日)
【今日の話題株】
◆ローム(6963)
3474円(+231円)
先週末、デンソーがロームに買収を提案したと報じられた。TOB(株式公開買い付け)で全株取得を目指し、買収額は1兆3000億円規模になる見通し。ロームはデンソーから株式取得の提案を受領したのは事実とコメント。デンソーとロームは昨年5月に提携を発表、デンソーはその後、保有比率を約5%にまで高めていた。一方、財務悪化が懸念されるデンソーやパワー半導体で地位低下が懸念される富士電機は下落した。
◆清水建設(1803)
3063円(-215円)
主要な金融機関による1413万7200株に及ぶ株式の売出しを発表。「2027年3月末までに政策保有株式の残高を純資産の10%以下にする」方針に沿った動きで、個人投資家層の拡大や株価の安定、資本コストの低減を図ることが目的としている。ガバナンスの改善を評価する声もあるが、短期的な需給(売りと買いのバランス)悪化が懸念される形となった。
◆ソフトバンクグループ(9984)
3541円(-385円)
米IT大手オラクルとAI新興企業のオープンAIが、テキサス州にあるAI向けデータセンターの拡張計画を取りやめたと伝わった。協議の長期化やオープンAIによる頻繁な需要予測変更による複雑化が背景にあるもよう。ソフトバンクGはこれら2社と共同でAIインフラ投資計画「スターゲート」に参画しており、先行きへの期待が低下した。
●【2】月曜コーナー「ザイアナリスト仲村幸浩『今週の焦点』」
戦争は長期化・泥沼化の恐れ、注目株は逆行高銘柄
先週の日経平均株価は-3229.43円(-5.49%)。米国がイランに軍事攻撃を開始、世界のエネルギー輸送の大動脈であるホルムズ海峡が封鎖されたことで原油価格が急騰し、景気・企業業績が悪化するとの懸念が強まった。
今週は下値模索の展開となりそうだ。ホルムズ海峡の封鎖が長期化すれば、原油価格はさらに急騰する恐れがある。カタールのエネルギー相は原油価格が1バレル=150ドルまで上昇する可能性に言及している。液化天然ガス(LNG)も深刻だ。日本の石油備蓄は国家・民間合わせて246日分あるとされているが、LNGについては、マイナス162度での保管が必要で、物理的に長期備蓄ができないため、国内在庫は約3週間分しかない。エネルギーの輸入依存度の高い日本にとっては、円安も相まってインフレ再燃による実体経済への悪影響が懸念され、日本株は相対的に厳しい状況が続きそうだ。
早期終結が望まれるところだが、トランプ米大統領は「イランとの合意は、無条件降伏以外はありえない」と主張。また、対米融和的な政権への交代を望んでいたところ、イランの最高指導者ハメネイ師の後継には反米保守強硬派として知られる次男のモジタバ・ハメネイ師が選出されたと伝わっている。戦争は長期化・泥沼化する可能性が高まっている。
今週は11日に2月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。世界的なインフレ懸念が高まっている中、先週末に発表された2月の米雇用統計は一過性要因があったとはいえ、予想外に雇用者数が減少した。CPIが予想を上回ってしまうと、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待が一段と後退し、景気後退とインフレが同時進行するスタグフレーション懸念がさらに高まりかねない。
10日には米IT大手のオラクルが決算を発表する。AI(人工知能)への過剰投資懸念は根強く、関連株の動向を探る上で注目だ。その他に、米資産運用大手ブラックロック傘下のプライベートクレジットファンドが、投資家からの解約請求の急増を受け、解約を制限したことが分かった。こうした一部でくすぶる信用不安も懸念材料で、米VIX指数(相場に対する先行き警戒感を表す)が明確に低下してくるまでは慎重な姿勢で臨むことが求められる。
一方、可能性は低く期待しにくいが、楽観的なシナリオとしては、11月の中間選挙を前に、インフレ再燃によるさらなる支持率低下を避けたいトランプ米大統領が、適当なところで戦争の勝利宣言をして幕引きを図るということが考えられる。
【仲村の今週の注目銘柄・テーマ】
サイバーエージェント(4751)・その他3銘柄「逆行高」「非景気敏感株」
1325.5円(+47.5円)
全体相場が急落する中、今日は逆行高となった。原油価格や世界景気の動向と相関性の低い業態であることや、これまで株価が低調だった分、潜在的な売り圧力は小さいようだ。
一方、業績はいたって好調。2026年9月期の第1四半期(2025年10〜12月)営業利益は前年同期比181.8%増の233億円と市場予想を大きく上回った。既存タイトルと海外展開が好調のゲームが大幅増益で全体をけん引。積極的な投資を行ったメディア&IPも大幅増益となり、初めて開示されたAbemaTV単体は黒字化した。通期では2ケタ減益の計画になっており、業績の上振れ期待が高まっている。
その他に、2027年3月期には東京ディズニーシー25周年を迎えるオリエンタルランド(OLC)や、ディスカウント型小売店として不況下でも強みを発揮する「業務スーパー」の神戸物産やコスモス薬品なども逆行高となった。OLCは業績の底入れ感、コスモス薬品はやや唐突感のあったホテル事業参入によるガバナンス不透明感を受けた株安一巡に期待したい。
仲村幸浩
ダイヤモンド・ザイ アナリスト立教大学経済学部卒業。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。証券会社や金融情報サービス会社を経て2023年10月より現職。マーケットアナリストとして各種メディアで活動中。
ザイ編集部
最終更新:3/13(金) 15:55