ビットコイン、6万ドルを割れば「パニック売り」が始まる可能性

5/13 20:45 配信

CoinDesk Japan

FxProのシニア・アナリスト、アレックス・クプツィケビッチ(Alex Kuptsikevich)氏によると、ビットコイン(BTC)は今後数日のうちに6万ドル台を割り込むと、パニック的な売りが出る可能性があるという。暗号資産トレーダーは、センチメントが強気と判断される前に6万5000ドルを突破することを望んでいる。


BTCは5月13日の欧州時間に一時6万3000ドル超まで急上昇し、主要なアルトコインを揺さぶった。イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、ドージコイン(DOGE)は過去24時間で3%上昇し、ほとんどの上昇はBTCの上昇後に起きた。


メッセージングサービスのテレグラム(Telegram)と密接に関連するブロックチェーンのトークンであるTONは7%上昇し、メジャーなトークンの中で上昇の先頭に立った。


ステーブルコインを除いた時価総額の多い暗号資産(仮想通貨)による広範な流動性指数であるCoinDesk20指数(CD20)は2.24%上昇した。


BTCは3月以降、6万ドルから7万ドルのレンジで推移しており、4月に予定されていた半減イベントは、市場のカタリストが乏しい中、「ニュースで売る」に終わった。上場投資信託(ETF)への資金流入はここ数週間減少しており、弱気心理を助長している。


クプツィケビッチ氏はCoinDeskに寄せた13日のメモで、値動きの特徴は安値と高値の連続であり、投資家が価格の上昇を見て売っている状況を示していると述べた。


クプツィケビッチ氏は、4月の半減期以降のマイニング難易度の変化にも言及し、「マイナーによる資産売却や暗号資産の規制強化への懸念に関連した圧力があると思われる」と述べた。


「6万ドルを下回れば、パニック的な売りが出る可能性がある。我々の意見では、6万5000ドルを超えて上昇し、50日移動平均線(SMA)と5月上旬の反転エリアで価格が固定されれば、ポジティブなシナリオが見通せるだろう」と彼は付け加えた。


マイニングの難易度は、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)のブロックチェーン上でトランザクションを受け入れ、確認する数学的パズルを解くことが、マイナーにとってどれだけ難しいかを測定したものだ。これらのパズルを解くのに必要なリソースの増加は、マイナーのビジネスを圧迫し、採算がとれなくなり、結果としてマイニング事業者が減少する。

短期保有者が価格の下落に影響する可能性

また、暗号資産投資会社Ryze Labsのアナリストは、短期ビットコイン保有者(トークンの保有期間が155日未満)の行動が、今後数カ月の市場に大きな影響を与える可能性があると週次のメモで述べている。


Ryze Labsによると、ビットコインの長期・短期保有者の94%が利益を上げていたことが2017年11月中旬から2018年4月中旬、2021年2月中旬から4月中旬、そして直近では2024年2月末から4月初旬の3回あったという。


短期投資家が保有するビットコインの総額のピークは2017年に1178億ドル(約18兆2500億円、1ドル=155円換算)、2021年に2899億ドル(約45兆円)だった。この間、長期保有者とマイナーはビットコインを155日未満の短期保有者に売却した。


しかし、これらのピークの後、短期保有者の損失は急速に増加し、短期保有者が長期保有者に売却するという逆転が起こった。研究チームは、こうした転換は歴史的に、その後4~6カ月でビットコイン価格の大幅なドローダウンをもたらすと見ている。


「直近のサイクルでは、短期保有者は2189億ドル(約34兆円)のビットコインを保有していた。大半は当初利益を得ていたが、その後、積極的に売り始めた。その約1カ月後、その期間の高値からの最大のドローダウンは約6%になる」とアナリストは述べている。


そして、「現在のサイクルは、マクロ経済状況の改善に支えられた機関投資家の需要により、以前のサイクルとは異なる可能性がある。しかし、これらの支援要因が弱まれば、過去のサイクルと同様のビットコイン価格のドローダウンが発生する可能性がある」と付け加えた。


|翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin Below $60K Could Trigger 'Panic' Selling, Crypto Analyst Says

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最終更新:5/13(月) 20:45

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