9日の中国本土市場概況:上海総合0.1%安で3日ぶり反落、銀行株上昇で下値は限定
指標発表前に買いが手控えられる流れ。中国では今週から来週にかけ、11月の各種経済統計の公表が集中する。あす10日に貿易、16日に小売売上高や鉱工業生産などが報告される予定だ。また金融も15日までに予定されている。内容を見極めたいとするスタンスも強まった。また、上海総合指数は先週、約3週ぶりの高値水準を回復したとあって、売り圧力も意識されている。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国経済対策の期待感が持続している。翌年の経済政策方針を決める中国の重要会議「中央経済工作会議」は、11~12日に開催される見通しだ。中国経済の鈍化懸念がくすぶる中、当局は金融・財政政策を強めるとの見方も広がっている。指数はプラス圏で推移する場面もみられた。
朝方発表された物価統計に関しては、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比プラス0.2%(予想はプラス0.4%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス2.5%(同マイナス2.8%)で着地。まちまちの内容となり、相場に対する影響は限定されている。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、不動産の下げが目立つ。華遠地産(600743/SH)が9.7%安、金地集団(600383/SH)が4.6%安、信達地産(600657/SH)が4.4%安、保利発展控股集団(600048/SH)と緑地HD(600606/SH)がそろって2.8%安で引けた。
ハイテク株も安い。フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)が3.1%、スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が2.6%、半導体の封止・検査で中国首位の江蘇長電科技(600584/SH)が2.4%、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が2.1%、半導体モジュール生産の嘉興斯達半導体(603290/SH)が2.0%ずつ下落した。証券株、食品・酒造株、軍事関連株なども売られている。
半面、銀行株はしっかり。上海銀行(601229/SH)が1.8%、中国農業銀行(601288/SH)と北京銀行(601169/SH)、江蘇銀行(600919/SH)がそろって1.2%ずつ上昇した。発電株、資源株、自動車株、空運株、医薬株の一角も買われている。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.54ポイント(0.19%)安の278.99ポイント、深センB株指数が5.29ポイント(0.43%)高の1234.79ポイントで終了した。
亜州リサーチ(株)
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最終更新:12/9(月) 16:44