横浜「北仲通地区」の再開発完了まであと一歩、150m超の高層ビル誕生《楽待新聞》

3/25 19:00 配信

不動産投資の楽待

横浜市桜木町駅のすぐ東側、横浜市庁舎を含む「北仲通地区」で、複合ビル2棟の建設が進められている。

いずれも高さは150メートルを超え、高層階にはマンションが入る予定だ。2027年6月を予定している竣工をもって、同地区での再開発が完了する。

2棟は臨海地区でも有数の規模であり、住宅機能を付与するだけでなく一帯のランドスケープにも影響するだろう。今回は、そんな北仲通地区の再開発事業についてまとめてみた。

■新しい建物が続々誕生

「北仲通地区」は、桜木町駅から直線距離で東に350メートル、徒歩10分ほどの場所に位置する。臨海部の隅にあり、大岡川の河口をはさんで、大規模再開発地域「みなとみらい21地区」に隣接する。

北仲通地区から万国橋を渡った北側の地区にはショッピングモールの「横浜ワールドポーターズ」がある。

地区自体の認知度こそ高くないものの、2020年に新設された横浜市庁舎があるほか、地区の中心にはみなとみらい線の馬車道駅がある。横浜―馬車道間はわずか3駅、5分だ。

そして駅の北側、岸にあたる部分は「北仲通北地区」と呼ばれ、近年は再開発が進められてきた。同地区はA―1からA―4、B―1からB―3、C地区の計8地区に分けられており、以下のように構成されている。

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A―1・2地区…再開発地区(後述)
A―3地区…結婚式場
A―4地区…タワーマンション(ザ・タワー横浜北仲)
B―1地区…再開発地区(後述)
B―2地区…ホテル(アパホテル)
C地区…横浜第2合同庁舎
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A―4地区には、高さ212メートル、地上58階建て、総戸数1174戸からなるタワマン「ザ・タワー横浜北仲」がそびえる。同マンションは、その高さからか北仲通地区はおろか臨海部一帯でも存在感を示している。

B―2地区にあるアパホテルも、高さ136メートルあり、比較的大きな規模と言える。アパホテルの開業が2019年、「ザ・タワー横浜北仲」の入居開始が2020年だ。

先述の通り、北仲通南地区にある横浜市の新市庁舎も新しく、北仲通地区は街全体が新しい地区である印象だ。

■150メートル超の高層ビル2棟が誕生

そして現在、北仲通北地区のうち、A―1・2地区とB―1地区で高層ビルの建設工事が進められている。いずれも高さ150メートルを超える規模だ。

両ビルの完成をもって、北仲通北地区の再開発が完了する。

まずはA―1・2地区から見ていこう。

A―1・2地区はもともと、1地区と2地区で別々のビル建設が計画されていた。その計画が変更になり、現在は両地区を合わせてビルの建設が進められている。

A―1・2地区の合計敷地面積は約0.9ヘクタール。ここに、地下2階・地上40階建て、高さ約150メートルの複合ビルが完成する予定となっている。

国土交通省の資料によると、地上から16階まではホテル、17階は設備展開階となり、18階以上が住居階となるようだ。

低層階にペデストリアンデッキも整備され、大通りを渡れるようにするという。事業者は大和地所と住友不動産で、2026年11月の竣工を目指している。

一方、B―1地区の敷地面積は約1.2ヘクタール。こちらには、高さ約158メートル、地下1階・地上40階建ての高層ビルが誕生する予定だ。東急不動産、京浜急行電鉄、第一生命保険の3社が開発を主導する。

低層棟(6階建て)と高層棟(40階建て)の2つに分かれる構造で、それぞれ用途が異なる。低層棟には主にオフィスが、高層棟にはタワーパーキングや約700戸の住戸が整備される。

両棟の1~2階は店舗が入る商業スペースとなり、賑わい機能を持たせるようだ。A―1・2地区計画の翌年となる2027年6月の竣工を目指す。

■投資物件としても検討可能?

「みなとみらい21地区」は1990年代以降、旧三菱重工造船所や国鉄・貨物駅などの跡地を再開発する形で、高層ビルや複合施設の建設が進められてきた。

1993年に開業した「横浜ランドマークタワー」はその代表格と言える存在だ。現在では、9割以上の街区で開発が完了している。

そして、みなとみらいの再開発が波及する形で、2010年代以降は「北仲通地区」の再開発も進められてきた。

現在建設が進んでいる2棟の竣工により、北仲通地区の開発も完了することになる。高層ビルが増えることで、臨海部の景観はより賑やかになるだろう。

数年後に新たに誕生する2棟のマンションは、その立地や景観から高い需要見込めるかもしれない。A―1・2地区のビルで計画されているホテルも同様だ。

マンションの価格帯は、同じ地区にある「ザ・タワー横浜北仲」がベンチマークとなるかもしれない。2017年当時の第1期販売における最多販売価格帯は6600万円だったが、現在の中古物件価格は1億円を超えている。

このザ・タワー横浜北仲と同様、新棟の物件も価格上昇の可能性があるのかもしれない。

山口伸/楽待新聞編集部

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最終更新:3/25(月) 19:00

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