Ann Saphir
[12日 ロイター] - ボストン地区連銀のコリンズ総裁は12日、インフレ高止まりへの懸念を理由に、近い将来の追加利下げのハードルは「比較的高い」との見方を示した。
コリンズ氏はボストンで開かれた銀行家向け会議での講演で、政府機関閉鎖による影響でインフレに関するデータが不足する中、「労働市場の顕著な悪化を示す証拠がない限り、政策をさらに緩和することには躊躇(ちゅうちょ)する」と指摘。
「極めて不確実な環境において、インフレと雇用のリスクのバランスを取るため、当面の間、政策金利を現行水準に維持することが適切である可能性が高い」と述べた。
同総裁は、先月開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに賛成票を投じた。
IIIキャピタル・マネジメントのチーフエコノミスト、カリム・バスタ氏は「コリンズ氏は(FOMCで)一度も反対票を投じたことはなく、常に中道の立場を取ってきたため、今回の発言は重要な意味を持つ」と指摘。「次の動きは12月よりも(来年)1月の方が可能性が高いだろう。その方がより多くのデータを検討する時間が得られる」と述べた。
コリンズ氏は現行の政策金利について「やや制約的」との見方を示した。また、関税によるインフレの押し上げ効果は予想されていたほどではなく、その影響は2026年序盤に弱まる可能性があると指摘。ただ、FRBが目標とする2%を上回る水準でインフレが高止まりする可能性について懸念しているとし、「政策スタンスをさらに調整する前に、インフレ率が2%に回帰する軌道に乗っていることを確認するのが賢明だと思われる」と述べた。
ロイター
最終更新:11/13(木) 9:43