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パウエルFRB議長の記者会見を見ると、9月の利下げどころか、年内の利下げすらないかもしれない印象
本日(6月13日)の未明、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されました。
今回も政策金利は据え置かれました。これは、予想どおりで、注目は今後の政策運営に関してどんなメッセージが出てくるのかという点でした。
結論から言うと、9月の利下げどころか、年内の利下げすらないかもしれないという印象です。
パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長はFOMC開催後の会見で次のような発言をしています。
「金利変更のタイミングはデータ全体に大きく依存している」
これは、インフレだけではなく、経済全体の指標を見ながら利下げのタイミングを見極めると言っているわけです。
その上で、最近の経済指標を見る限り、「第1四半期のインフレは停滞しており、利下げには時間がかかるだろうという結論に達した」との見解を述べています。
これは、経済指標を見る限り、インフレは十分に抑制されず、他の経済指標もしっかりしているため、当面利下げをするような環境にはないと言っているわけです。
米雇用統計と米CPIを見ると、強弱入り混じっているものの、全体的に経済はまだ堅調で、インフレの低下は進んでいない
FOMCの前には、2つの重要な経済指標の発表がありました。
1つ目は先週末に発表された米国の雇用統計5月分です。
失業率は4.0%と前月の3.9%から若干上昇しました。事前予想も3.9%でしたので、予想より悪化しています。非農業部門就業者数増減は事前予想の18万人を大きく上回る27.2万人となりました。また、時間当たりの平均賃金は前月比0.4%と前月の0.2%を上回っています。
総合的に見ると、予想より強い結果でした。
2つ目は昨日(6月12日)発表された米国のCPI(消費者物価指数)5月分です。
結果は年率で3.3%と予想の3.4%より若干弱い結果となりましたが、前月と同じなので、傾向としては低下していないということです。
この2つの指標の結果を見てもわかるとおり、強弱入り混じっているものの、全体的に経済はまだ堅調で、インフレの低下は進んでいないことが分かります。他の指標も同じような傾向にあります。
こうした状況を受けて、パウエルFRB議長は「利下げには時間がかかるだろう」と言っているわけです。
米ドル/円は155~158円の動きを想定してレンジトレードを続けていく
このような状況になってくると、米ドル相場も方向感を出すのが非常に難しくなっています。
実際、米雇用統計の結果を受けて米ドル上昇、米CPIの結果で米ドル下落、FOMCで米ドル上昇と上げ下げを繰り返しています。
こうした状態はかなり長期化する可能性があります。残念ながら、稼ぎやすいトレンド相場は期待薄です。
レンジ相場を想定し、その中で「上がったら売り、下がったら買い」を続けるのが現在の最善策です。
米ドル/円は155~158円の中での動きを想定してレンジトレードを続けていきます。
メキシコペソ/円は当面8.0円程度までの下落を想定しておく必要
最後にメキシコペソ/円ですが、こちらは大統領選挙の結果に想像以上の動揺を見せています。
当面8.0円程度までの下落を想定しておく必要があるでしょう。
ある程度のポジション調整が終わらない限り、反転して上昇していくのは難しいかもしれません。
ザイFX!
最終更新:6/15(土) 16:07
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