【元銀行員解説】おひとりさまと夫婦でこんなに違う!60歳代・70歳代「貯蓄の平均+中央値」と毎月赤字のリアルな生活費をみる

4/22 13:05 配信

LIMO

4月も下旬に入り初夏を思わせるような暖かな日差しと新緑が美しい季節となりました。大型連休を前にご自身の老後資金について改めて考える方も多いのではないでしょうか。

老後の生活を考えるうえで、「どれくらい貯蓄が必要なのか」「実際の生活費はいくらかかるのか」は、多くの人が気になるポイントです。

特に60歳代・70歳代になると、収入は年金中心へと移行し、「資産の取り崩し」と「支出管理」が重要になります。

この記事では、シニア世代の貯蓄額(平均・中央値)と生活費の実態を整理したうえで、貯蓄上手な人とそうでない人の違いまでわかりやすく解説します。

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【60歳代・70歳代シニア世代】一人暮らしの貯蓄額「平均と中央値」

J-FLEC(金融経済教育推進機構)「2025年家計の金融行動に関する世論調査」(金融資産を保有していない世帯を含む)をもとに、60歳代・70歳代の単身世帯の貯蓄額を紹介します。

●60歳代・単身世帯
60歳代の単身世帯の貯蓄額は、以下のとおりです。

 ・平均:1364万円
 ・中央値:300万円
平均値は高く見えますが、一部の高資産層が押し上げているため、実態に近いのは中央値です。

多くの人にとっての現実的な水準は300万円前後といえます。

●70歳代・単身世帯
70歳代の貯蓄額は、以下のとおりです。

 ・平均:1489万円
 ・中央値:500万円
一見すると60歳代より増えているように見えますが、高資産層の影響がより強く出ているためと考えられます。

実際には、年齢とともに貯蓄を取り崩す世帯が増えるため、生活実態としては資産が減少していく傾向です。

長寿化が進むなかでは、資産は持っている額だけでなく、想定以上に減らないように計画的に管理する必要があります。

【60歳代・70歳代シニア世代】夫婦2人暮らしの貯蓄額「平均と中央値」

J-FLEC(金融経済教育推進機構)「2025年家計の金融行動に関する世論調査」(金融資産を保有していない世帯を含む)での60歳代・70歳代の夫婦2人暮らしの貯蓄額についても見ていきます。

●60歳代・2人以上世帯
60歳代の夫婦2人世帯での貯蓄額は以下のとおりで、単身世帯より大きくなります。

 ・平均:2683万円
 ・中央値:1400万円
生活費や住居状況などを踏まえると、実際の生活感に近いラインは800万円~1,400万円程度と考えられます。

●70歳代・2人以上世帯
70歳代では、貯蓄額は60歳代より減少傾向です。

 ・平均:2416万円
 ・中央値:1178万円
夫婦世帯であっても、老後は年金をベースに生活しながら、貯蓄を取り崩していく段階に入ります。

そのため、資産は「増やすもの」から「守りながら使うもの」へと役割が変わる時期といえるでしょう。

次の章では、生活費について紹介します。

平均的な月の生活費

総務省「家計調査報告[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要」のデータをもとに、一人暮らしと夫婦2人世帯の生活費を見ていきましょう。

●一人暮らしの生活費は毎月約3万円の赤字に
収入の大半を年金が占めるなかで、毎月約3万円の赤字となっており、貯蓄の取り崩しが前提の生活といえます。

食費や医療費、娯楽費などは削りにくく、支出のコントロールが難しい点が特徴です。

65歳以上の1人暮らしの生活費は、実収入が13万1456円(うち社会保障給付は12万212円)です。

 ・非消費支出(税金・社会保険料他):1万2990円
 ・主な生活費:食費(4万2545円)、住居(1万1416円)、光熱・水道(1万5565円)、家具・家事用品(6069円)、被服・履物(3049円)、保健医療(8388円)、交通・通信(1万3601円)、教養娯楽(1万6132円)その他(3万1681円)など
 ・家計収支:▲2万9980円
長く生活を維持するためには、支出管理とあわせて、資産の取り崩し方を意識する必要があります。

●夫婦2人の生活費は毎月約4万円以上の赤字
夫婦世帯でも毎月4万円以上の赤字となっており、単身世帯と同様に貯蓄の取り崩しが前提の生活です。

食費や交通・娯楽費など、生活の質を維持するための支出が一定割合を占めています。

65歳以上の夫婦2人暮らしの生活費は、実収入が25万4395円(うち社会保障給付は22万8614円)です。

 ・非消費支出(税金・社会保険料他):3万2850円
 ・主な生活費:食費(7万8964円)、住居(1万7739円)、光熱・水道(2万3540円)、家具・家事用品(1万1237円)、被服・履物(5354円)、保健医療(1万7941円)、交通・通信(3万1325円)、教養娯楽(2万6538円)その他(5万1341円)など
 ・家計収支:▲4万2434円
支出を抑えるだけでなく、収支バランスを意識した家計管理がかかせません。

【元銀行員が考える】貯蓄上手な人・貯蓄下手な人の違い

貯蓄ができている人には、共通する「習慣」と「考え方」があります。

●収支を把握している
毎月の収入と支出を把握できれば、お金の流れが明確になります。

無意識の出費に気づきやすくなり、無駄な支出を減らすきっかけになります。

固定費を見える化して、見直すべきポイントも見つかりやすくなるでしょう。

なんとなく使うのを防ぐだけでも、お金の残り方は変わります。

●「先取り貯蓄」を実践している
貯蓄ができる人は、「余ったら貯める」のではなく、「先に貯める」を徹底しています。

給与や年金が入った時点で、一定額を自動的に貯蓄に回す仕組みを作っています。

使えるお金の上限が明確になり、無理なく貯蓄が続けやすくなるためです。

意思に頼らず仕組みで管理することが、長く続けるポイントです。

●固定費の見直しを定期的に行っている
固定費は一度見直すだけで、継続的な節約効果が期待できます。

保険や通信費、サブスクリプションなどは見直しの余地が大きい項目です。

定期的に確認することで、不要な支出を減らせます。

一度の見直しでも、年間で数万円から数十万円の差につながる場合があります。

まとめにかえて

老後の安心は収入の多さではなく、お金の使い方と習慣で決まります。

いくら持っているのかではなく、どう使い、どう守るかといった日々の習慣と仕組み次第で、老後の安心度は変わります。

参考資料

 ・総務省「家計調査報告[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要」
 ・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「2025年家計の金融行動に関する世論調査」
 ・厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
 ・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

円城 美由紀

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最終更新:4/22(水) 13:05

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