5年で12カ国語をマスター、実践した「5つの習慣」 「スマホ設定を学習言語に変える」など常に触れる

5/24 16:02 配信

東洋経済オンライン

日本で生まれ育ちながら、英語から、世界最難関のアラビア語まで、5年間で12カ国語(スペイン語、英語、フランス語、アラビア語、インドネシア語、ロシア語、ポルトガル語、ドイツ語、トルコ語、中国語、タイ語、韓国語)を習得したKazu Languages氏。「今までの私の外国語習得は、間違いなく、こうした習慣に支えられてきたと感じています」と語る同氏はどのようにして、学習中の言語を日常生活に組み込んできたのか。自身の著作『ゼロから12ヵ国語マスターした私の最強の外国語習得法』より語ってもらった。

■独り言を言う

 本稿では、私が日々、取り入れている小さな習慣を紹介していきます。

 ちょっとしたことばかりですが、これが毎日となると決して侮れません。

 すべてひとりで行えるというのも重要なポイントです。

 学び始めのころは、アプリなどのレッスンで覚えたフレーズを日中、何度も何度も独り言で暗唱します。レッスンの最中にしっかり覚えたつもりでも、少し経つと忘れてしまうものだからです。

 フレーズだけでなく、「机」「パソコン」「本」「ペン」「ノート」「服」「車」「街路樹」「公園」「学校」「子ども」「先生」など、身の回りにあるものや外出中に目についたものを片っ端から学習中の言語で言ってみるというのも、よく実践しています。

 また、もう少し学習が進んで、多少は自分でも文章を作れるようになったら、考えたことや感じたこと、身近な出来事などを、その言語で文章にして声に出します。

 長々とは話せなくても、短文をいくつか作って言えればよしとしましょう。これもスムーズな日常会話力を身につけるための第一歩となります。

 さらに効果的なのは、ネイティブとコミュニケーションを取る状況を想定して文章を作り、声に出すことです。たとえば、「その国のレストランにいる」という想定だと、どんなことを言っている自分の姿が思い浮かぶでしょうか。

「メニューをください」
「おすすめは何ですか?」
「これはどんな料理ですか?」
「では、◯◯と△△をお願いします」
「お水をいただけますか」
「お会計をお願いします」
「とても美味しかったです」
「ありがとうございました。また来たいです」
 これらを、自分で文章を組み立てて言ってみます。わからなかったら翻訳ツールで調べますが、それも必ず声に出して言います。

 このように具体的なシチュエーションを想定すると、スキマ時間の中でも実践的なスピーキング力を鍛えることができます。日々、さまざまなシチュエーションを想定することで表現の幅も広がるでしょう。いつか実際に、同じような状況になったときの予行演習になります。ぜひ取り入れてみてください。

■スマホの設定を学習中の言語に変える

 スマホは私たちの日常生活に欠かせないデバイスです。1日のうちスマホを見ている時間を合計すると、おそらく何時間にもわたるという人が大半だと思います。

 それほど毎日、頻繁に触れているスマホの言語設定を学習中の言語に変更しておくと、その言語に触れる時間が格段に増えます。

 日本語のアプリで外国語に対応していないものは日本語表示のままですが、たとえばスマホの設定画面の各項目などは変更後の言語で表示されます。InstagramやX(旧Twitter)、Googleなど世界的に使われているアプリの表示も切り替わります。

 私は、新しい言語に取り掛かるときに、スマホの言語設定をその言語に変更します。

 これも、なるべく「その言語が頭から離れてしまう時間」を減らすための工夫です。

 ライティングを上達させるには、やはり実際に文章を書いてみるのが一番です。

 日々、考えたことや感じたこと、印象的だった出来事、外国語学習などで頑張っていることの進捗や気付きについて、短い文章をいくつか書いてみる。わからない単語や、文法的に自信がないところは翻訳ツールでチェックする、といった要領です。

 文章は紙に書いても、スマホやパソコンで打ち込んでもかまいません(スマホやパソコンで書く場合は、設定でキーボードを追加します)。

 書いた文章をSNSに投稿するのもおすすめです。その言語のネイティブが読むかもしれないという緊張感も相まって、よりいっそう正しい文章を書こうと心掛けるようになります。こうした習慣は、上達に直結するでしょう。

 短文を書くことに慣れてきたら、次は、もう少し長めの文章を書く練習として、その言語で日記をつけます。最初はなかなか書けないかもしれませんが、続けるうちにライティングへの苦手意識が薄れていくでしょう。

 最初は短文だけ、やがては長文にも挑戦と徐々にレベルを上げ、常に「少しだけ努力を要するくらいの負荷」をかけ続けることが、より早い上達のコツです。

■学習中の言語で趣味を楽しむ

 たとえば「料理」が趣味なら、学習中の言語で配信されているレシピや料理動画を検索する。仮にスペイン語を学習中だとして「paella receta(パエリア レシピ)」と検索すると、レシピを紹介するWebページや料理動画が山ほど出てきます。

 どのような趣味でも同様のことが可能です。スポーツなどでも、たとえば「ゴルフ」が趣味なら、「Cómo mejorar el swing de golf(ゴルフのスイングの上達法)」と検索すると、やはりスペイン語のゴルフ指南サイトや動画がたくさん表示されるという具合です。

 私の趣味は、外国の都市の景色や人々の雰囲気を調べることなので、よくYouTubeで旅動画を検索しています。

 外国語学習に自分の趣味を持ち込み、その言語で好きなことの情報をインプットするのは、まさに「楽しみながら語学の上達を早めるコツ」といっていいでしょう。

 学習の初期段階だと内容を理解するのが難しいと思うので、ある程度の文法の知識がついて、少し長めの文章も理解できるようになってきてからのリーディング、リスニングの上達法としておすすめです。

■「覚えたこと」を忘れない方法

 今まで紹介してきた習慣術は、習得した言語の維持にも役立ちます。

 まだまだ先のことのように思えて想像がつかないかもしれませんが、せっかく習得した言語を忘れてしまうのは一番避けたいことでしょう。

 言語は日常的に使用しないと、徐々に忘れてしまうものです。私も習得した言語の維持には苦労してきました。色々な方法を試して気付いたのは、1日たった5分間でも言語に触れる時間を作るだけで、大きな違いが表れるということです。

 ここで紹介した独り言、SNS、日記、趣味を学習中の言語で楽しむ、すべて5分もあればできるので、ぜひ言語を習得した後の維持法としても取り入れてください。

 習得言語の維持という点については、次の習慣も加えておきます。

・通勤や通学の時間に、その言語のPodcastやYouTubeを視聴する
・その言語の単語や文法で気になる点が生じたら、すぐに調べる
 とにかく「その言語が頭から離れてしまう時間」を極力作らないことが重要です。

 もちろん、オンラインレッスンなどで頻繁にネイティブとコミュニケーションを取るのが理想です。しかし、それが難しい場合でも、その言語について考えたり調べたりする時間を少しでも確保すれば、語学力を維持することができます。

東洋経済オンライン

関連ニュース

最終更新:5/24(金) 16:02

東洋経済オンライン

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング