日産、次世代EV生産にギガキャスト活用-コスト3割減目指す

4/16 13:30 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 日産自動車は16日、車体部品などをアルミニウム合金で一括成形する「ギガキャスト」技術を次世代電気自動車(EV)の生産で導入する計画を明らかにした。

日産の坂本秀行副社長兼チーフモノづくりオフィサーが同社の横浜工場で開いた説明会で、6000トン級のアルミ鋳造機を使って次世代EVの車体のリア部分を作ることを決めていると話した。同技術は2027年度から適用を始めていく予定だという。

減速感の出てきているEV市場では値下げ競争が激化しており、事業採算性の改善に向けコスト削減が急務となっている。

日産は3月に発表した新たな中期経営計画「The Arc」で、次世代EVのコストを同社のスポーツ用多目的車(SUV)「アリア」に比べ30%削減し、30年度までに内燃機関車と同等のコストを実現することを目指している。その一端を米テスラが先駆けとなりトヨタ自動車も採用を決めたギガキャスト技術が担うことになる。

坂本氏は、ギガキャスト技術を導入することで車種によっては「100点を超えるプレス部品と溶接部品の塊」であるリア部分をおおむね一括で作れる利点があると話した。また、車体の形状の自由度が向上することで衝突時の衝撃を軽減できるなど「大きなメリットを感じて導入している」と語った。

ギガキャストの設備は開発用として国内に導入するほか、海外では生産工場にも入れていくという。坂本氏はギガキャスト設備のメーカーについてはコメントを控えるとした。

坂本氏はまた、横浜工場内で建設中の全固体電池パイロットラインについて24年度に稼働を始める計画だと改めて表明した。日産の担当者によると、パイロットラインの生産能力は最大で年間100メガワット弱で働く従業員は最大200人規模とすることを想定。26年度に試作車を公道でテストし、28年度に投入される新型EVに搭載予定という。

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最終更新:4/16(火) 14:53

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