モルガンSが中国で人員削減計画、数年ぶりの規模-関係者

4/17 11:23 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米モルガン・スタンレーは今週、アジア太平洋地域の投資銀行部門で約50人の削減を開始する計画だ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。そのうち、少なくとも80%は香港と中国で実施されるという。

非公開情報だとして匿名を条件に話した関係者の1人によると、今回の人員削減は日本を除くアジア太平洋地域のバンカー約400人のほぼ13%に影響する。香港と中国では40人超が対象となる見通しだと関係者らは語った。

関係者によれば、最終的な人員削減の規模や時期は変更される可能性がある。モルガン・スタンレーの報道担当者はコメントを控えた。

モルガン・スタンレーにとって、今回の人員削減は中国で数年ぶりの規模になる。長引く不動産危機や成長を巡る根強い疑念により、中国経済はしっかりとした足場を築くのに苦労している。同社が16日発表した1-3月決算では、グローバル実績は予想を上回ったものの、アジアからの純収入が前年同期比12%減少した。

モルガン・スタンレー、14%増益-トレーディング収入が予想上回る

関係者の1人によると、モルガン・スタンレーは昨年終盤、レイオフを先送りしていた。ディールメーカーのボーナスが歴史的な低水準となり、自発的な離職者が出ると見込んでいたという。実際に退職したバンカーはわずかにとどまり、中国からの収入減が続く中、同社はより踏み込んだ人員削減を余儀なくされた。関係者らによれば、今週中に影響を受ける従業員と連絡を取り始める予定だ。

グローバル金融機関はディール低迷の中で経費削減を図っているほか、米中関係の悪化や中国による民間企業への締め付け、不動産危機を受け、アジアで投資銀行部門の人員削減を進めている。

HSBCがアジア投資銀バンカー10人余り削減、ディール低迷-関係者

ブルームバーグがまとめたデータによると、中国企業による米国と香港での株式発行は、第1四半期に17億ドル(約2630億円)と20年ぶりの低水準に激減。また、アジアでウォール街金融機関に勤務する大半のシニアバンカーの報酬は昨年、約20年ぶりの低い水準に落ち込んでいた。

トップバンカー報酬100万ドル下回る-日本除くアジア、賞与消滅も

モルガン・スタンレーは昨年、アジア太平洋地域の投資銀行部門の人員を約7%削減。中国を軸とするバンカーが最も大きな影響を受けた。

ただ、モルガン・スタンレーは中国本土事業を徐々に構築。昨年には先物会社の設立とファンドマネジメント事業の全面所有が認められたのに続き、先月にはプリンシパル取引とリサーチのライセンスでも承認を得た。

原題:Morgan Stanley Plans Biggest Round of China Job Cuts in Years(抜粋)

--取材協力:Joyce Koh、Pei Li.

(c)2024 Bloomberg L.P.

Bloomberg

関連ニュース

最終更新:4/17(水) 14:01

Bloomberg

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング