グリーンなウイスキー、サントリーが実用化に挑戦-東ガスと水素活用

4/11 17:23 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): サントリーホールディングス(HD)傘下で酒類事業を手掛けるサントリーは11日、都市ガスの代わりに水素を活用して蒸溜したグリーンなウイスキーの実用化を目指すと発表した。

発表によると、東京ガスなどと共同で、山崎蒸溜所(大阪府島本町)内にある小型施設で水素を燃焼してウイスキー製造の重要工程である蒸溜を行う実証実験にこのたび成功した。今後は白州蒸溜所(山梨県北杜市)で製造設備規模での導入を目指すという。

地球温暖化への懸念が高まる中、水素は燃焼時に二酸化炭素(CO2)が発生しないことから次世代エネルギーとして期待が高まっている。国際エネルギー機関(IEA)によると、世界の水素需要は2030年までに1億1500万トンに増加すると見込まれており、日本を含め世界各国で利用拡大に向けた動きが活発化している。

サントリーのスピリッツ生産部の小山泰弘部長によると、ウイスキーの蒸留方法は直火で加熱する「直火蒸溜」と蒸気を用いた「間接蒸溜」の2つに分けられる。サントリーの山崎・白州蒸溜所の一部工程では1000度以上の炎を直接蒸溜釜に当てて加熱する「直火蒸溜」が採用されており、「これによりコクがあり力強い味わいのニューポット(ウイスキーの原液)を作り出すことができる」と説明した。

サントリーの調べによると、1キロリットル以上の蒸溜釜で「直火蒸溜」を水素で行った実証実験で成功したのは世界初だという。ウイスキーの本場スコットランドでも水素を使った脱炭素化の取り組みが行われている。

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最終更新:4/11(木) 17:23

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