英GDP、10月は前月比-0.1% 20年以来初の2カ月連続減
Andy Bruce Suban Abdulla
[13日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が13日発表した10月の国内総生産(GDP)は新政権の予算案発表を控えて前月比0.1%減少した。
新型コロナウイルス流行でロックダウン(都市封鎖)が行われていた2020年3─4月以来初めて、2カ月連続のマイナス成長となった。
ロイターがまとめた市場予想は0.1%増だった。9月は前月比0.1%減。
サービス業は横ばい。製造業と建設業の生産は減少した。
リーブス財務相は声明で「今月の数字は期待外れだが、われわれは長期的な経済成長を実現するための政策を実施した」と述べた。
10月30日発表の予算案には、企業に対する大幅な増税が盛り込まれた。直接の影響は11月以降のGDP統計に反映される見通し。
ONSは予算案の影響は「まちまち」だったと指摘。予算案発表まで顧客が取引を手控えたとの報告があった一方、取引を前倒したケースもあったという。
GDP統計の発表を受け、ポンド/ドルは約0.25セント下落。市場は引き続き来年末までに25ベーシスポイント(bp)の利下げが3回前後実施されると予想している。
コンサルティング会社キャピタル・エコノミクスの英国担当チーフエコノミスト、ポール・デイルズ氏は「イングランド銀行(英中央銀行)は11月に利下げを実施している。今回の統計は12月の追加利下げを促すほどの弱い内容ではないと考えている。だが、統計発表前ほどの自信はない」と述べた。
ONSが発表した10月の貿易統計は、輸出と輸入がいずれも減少した。欧州連合(EU)向け輸出は、約1年ぶりに他の地域向け輸出を上回った。
NIESRのアソシエートエコノミスト、ヘイリー・ロー氏は「世界的な政策の不確実性が高まり、企業の信頼感が低下する中で、輸出環境が弱体化しており、最近発表された予算措置の影響によってさらに悪化した。これにより成長の勢いを維持できるかどうかについて懸念が生じている」と分析した。
ロイター
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最終更新:12/13(金) 18:18