(ブルームバーグ): 海外の債券や為替、株式などに投資する「絶対収益追求型」の公募投資信託の一部銘柄で、7日の基準価額が5%以上下落した。大型連休中の急激な為替相場の変動が大きく影響した。
野村アセットマネジメントは8日、「野村PIMCO・トレンド戦略ファンド Bコース(為替ヘッジなし)」の基準価額が前営業日比6.4%下落したと発表。三井住友トラスト・アセットマネジメントも「MAN AHL Diversified リンクファンド」が同5%超下落したと開示した。
野村アセットでは要因について、「2-3日の市場変動が影響した」と説明。市場トレンドから債券売り持ち、円などに対する米ドル買い持ちのポジションを構築していたが、「円買い介入と思われる動きによる円急騰のほか、世界的な金利低下」などトレンドが急反転したためとしている。
海外の金融市場が開いていた5月初旬は円買い介入とみられる動きなどを受け円高・ドル安が進行。4月29日に一時160円台まで売られた円が1ドル=151円台まで一気に戻すなど急変した。米雇用統計が市場予想を下回ったのを背景に世界の金利も急低下した。
三井住友トラスト・アセットも、「通貨や債券、金利のエクスポージャーがマイナスに影響した」としている。絶対収益追求型とは、市場環境にかかわらずプラスのリターンを狙うことをうたう運用戦略。
過去1年で見ると、2本のファンドは、リターンを上げている。野村アセットのファンドの騰落率は12%のプラス、三井住友トラストは8.7%のプラスとなっている。
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最終更新:5/8(水) 15:44
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