明日の戦略-後場に売られて安値圏で終了、あすはファストリが決算を発表予定

10/8 16:39 配信

トレーダーズ・ウェブ

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 8日の日経平均は5日ぶり反落。終値は215円安の47734円。小安く始まった後はプラス圏とマイナス圏を行き来した。米国株安を受けたハイテクグロース株の下落が重荷となった一方、円安進行は日本株を下支えした。前場では値上がり銘柄が多く、上げ幅を200円超に広げる場面もあった。ただ、動きが良くなってくると上値を抑える動きが出てきており、前引けではプラスを確保したものの48000円は下回った。

 後場は手がけづらさが意識され、マイナス圏で推移する時間が長かった。値下がりに転じる銘柄も増加する中、下げ幅を3桁に拡大。終盤にかけては200円を超える下落となり、安値圏で取引を終えた。一方、TOPIXは買い先行後は伸び悩んだものの、終日プラス圏で推移した。

 東証プライムの売買代金は概算で5兆8600億円。業種別では非鉄金属、水産・農林、保険などが上昇した一方、ゴム製品、精密機器、パルプ・紙などが下落した。上方修正を発表したnote<5243>が買いを集めてストップ高。半面、9月の月次が物足りないと受け止められたyutori<5892>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり557/値下がり999。フジクラや古河電工など電線株が大幅上昇。IHI、三菱重工、川崎重工の防衛大手3社が買いを集めた。直近で嫌われていた金融株が見直されており、三菱UFJ、東京海上、SOMPOなどが強めの上昇。「高市関連銘柄」としてストップ高が続いていた助川電気工業が、商いを伴って急騰した。好決算が確認できた銘柄には資金が殺到しており、上方修正や増配を発表したわらべや日洋がストップ高まで買い進まれた。

 一方、ソフトバンクGが2%安。東京エレクトロン、レーザーテック、ディスコなど半導体株が弱かった。円安進行を受けてもトヨタ、ホンダ、日産自動車など自動車株は多くが下落。金融株に資金が向かった一方で、住友不動産や三菱地所など不動産株は敬遠された。1Q営業赤字の三協立山が大幅安。パルGHDが決算を材料に8%を超える下落となった。

 スタンダード市場に新規上場したサイプレス・ホールディングスは、公開価格割れからのスタートとなり、終値も初値を下回った。

 日経平均は買われる場面もあったが、後場の動きが弱く3桁の下落。7日の米国株の下落を踏まえればそれほど違和感はないが、自民党総裁選を材料に週初にロケットスタートとなった後、息切れ感が出てきている。一段の円安進行が自動車株など輸出関連の買い材料にならなかったことを鑑みると、これ以上の円安は日本株にはプラスに作用しないかもしれない。

 あすは指数寄与度の大きいファーストリテイリングが決算を発表予定。きょうは上期決算発表時に上方修正や増配を発表したわらべや日洋がストップ高となったが、全体の水準が切り上がったことで、決算発表銘柄のボラティリティは大きくなりやすい。ファーストリテイリングは8月決算銘柄で今回が本決算となるだけに、期初の見通しが株価を大きく刺激する可能性がある。決算発表後はもちろんのこと、あす、発表を前に期待と警戒のどちらがより強まるかという点も注目される。9日、10日と三連休明けの14日は、ファストリ以外にも注目度の高い銘柄の決算発表が多い。好内容が多く確認できるようなら、足元の日本株の上昇もフロックではないとの見方が強まり、3月決算企業の上期業績に対する期待も高まってくるだろう。

小松

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最終更新:10/8(水) 16:39

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