巨人は2位、では1位は? プロ野球12球団「総合人気」ランキング、入場者数とフォロワー数の計4項目で独自試算

3/27 11:02 配信

東洋経済オンライン

 3月18日、東京ドームでMLB(アメリカ・メジャーリーグ)開幕戦が行われ、大いに盛り上がったが、3月28日には日本のプロ野球も開幕する。

 プロ野球観戦といえば、かつては直接球場におもむくか、テレビやラジオで中継を楽しむかという選択肢しかなかった。しかし、今は地上波のテレビ中継が衰退した一方、CSの専門チャンネルやネット配信など、観戦方法は多岐にわたっている。

 そうした中で、球団の人気を測るバロメーターも複雑化。かつてのように球場の入場者数やテレビ中継の視聴率では、セ・パ12球団で本当に人気のあるチームを割り出すことが難しくなっている。

 そこで東洋経済オンラインでは、日本最大級のスポーツ情報サイト「スポーツナビ」の協力のもと、4つのデータを複合する形で、独自に「総合人気ランキング」を作成した。今回採用したデータは次の4つだ。

・ 2024年の球場入場者数
・ 「X」のフォロワー数
・ 「Instagram」のフォロワー数
・ 「スポナビ」のフォロワー数
 このうち「スポナビ」のフォロワー数は、「スポナビ 野球速報アプリ」における各チームのフォロワーの数字を参考にした。ランキングはこれら4項目の数字を偏差値化しポイントに置き換え、合計のポイント数が多い順にまとめた。

■入場者数は阪神が他球団を圧倒

 まずは、今も昔も人気を測る基本バロメーターである、実際に球場に入場した観客の数だ。NPB(日本野球機構)が発表している「2024年 セ・パ公式戦 入場者数」を見ると、セ・パ両リーグの公式戦入場者数は2668万1715人(858試合)で、1試合平均は3万1098人だった。

 リーグ別に見ると、セ・リーグの入場者数が1461万7824人で、1試合平均は3万4074人。パ・リーグが入場者数1206万3891人で、1試合平均は2万8121人となり、平均入場者数はセ・リーグのほうが6000人多く、人気があるといえそうだ。

 球団別では阪神タイガースが1位。12球団で唯一、総入場者数が300万人を突破した。続いて、読売ジャイアンツ、福岡ソフトバンクホークス、中日ドラゴンズ、横浜DeNAベイスターズまでが1試合平均の入場者数で全体平均を上回った。

 入場者数には球場のキャパシティー(収容人数)も影響する。各球場の公式サイトなどで確認した収容人員は多い順に以下のとおりだ。

・ 阪神甲子園球場(阪神) 4万7359人
・ 東京ドーム(巨人) 4万3500人

・ みずほPayPayドーム(福岡ソフトバンク) 4万0142人
・ バンテリンドーム ナゴヤ(中日) 3万6412人
・ 京セラドーム大阪(オリックス) 3万6220人
・ エスコンフィールドHOKKAIDO(北海道日本ハム) 3万5000人
・ 横浜スタジアム(横浜DeNA) 3万4142人
・ MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島(広島) 3万3000人
・ ベルーナドーム(埼玉西武) 3万1552人

・ 明治神宮野球場(東京ヤクルト) 3万0703人
・ 楽天モバイルパーク宮城(東北楽天) 3万0508人
・ ZOZOマリンスタジアム(千葉ロッテ) 2万9635人
 甲子園球場のキャパシティーは圧倒的に多いが、入場者数を収容人員で割った「稼働率」で見ても88%となっている。実際は高校野球開催時に京セラドーム大阪を使用したり、倉敷での公式戦もあるので、稼働率は90%を超えている。

■ライトファンの人気の傾向は? 

 実際にスタジアムへ足を運ぶファンに加えて、SNSでのフォロワー数も総合人気ランキングの指標として用いた。「X」は全世代で利用されていることから、「Instagram」は10代〜30代、女性の利用者が多いことから採用した。熱狂的なファンではないが、ライトファン層の傾向を測るうえで有効だと考えられる。

 なお、広島東洋カープは12球団で唯一、公式のXアカウントを持っていない。その理由は地元の広島メディアを大事にしているためなど、さまざまな説がささやかれている。これをどう取り扱うかが悩ましかったが、スポナビのフォロワー数の偏差値が52.4と真ん中付近だったため、「X」では偏差値50として扱うことにした。

 「X」「Instagram」とも、ここでもトップは阪神タイガース。目を引くところでは、巨人が「Instagram」では2位だったものの「X」では7位となっていることや、「X」では北海道日本ハムファイターズが3位、千葉ロッテマリーンズが5位、東京ヤクルトスワローズが6位になっていることだ。

 一方、「Instagram」ではオリックスが4位、北海道日本ハムが6位となっている反面、東京ヤクルトが最下位になるなど、運用開始時期や投稿する内容などによってフォロワー数も大きく変動するようだ。

■スポナビデータでコアファンの傾向を探る

 「スポナビ 野球速報アプリ」では、好きなチームをフォローすると、試合開始、得点経過、結果などの情報が、プッシュ通知で送られてくる。こうした特性から、同サービスを利用するのはかなりのコアファン層だと判断した。

 ここでもトップは阪神だが、巨人もトップと大差のない数字となった。以下、福岡ソフトバンク、広島、中日、北海道日本ハムがほぼ同じ数字だが、阪神、巨人の6割程度にとどまっており、両球団のフォロワー数が突出していた。やはり、伝統ある2チームはコアなファンも多いと言えそうだ。

■総合人気ランキングのトップは? 

 4つの項目を改めて見てみると、すべてでトップを取った阪神が日本で最も総合的に人気のあるチームと言ってよさそうだ。裾野も広く、頂きも高い、多くのファンを獲得していると考えられる。

東洋経済オンライン

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最終更新:3/27(木) 11:02

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