「世界6大猫スポット」に選ばれた台湾の村に暮らす猫たちの日常、その数100匹以上、人間よりも猫が多い
ベトナムの古都ホイアンに灯る色鮮やかなランタン、世界遺産の始まりとなったエジプトのアブ・シンベル神殿、オランダ・リッセで見つけたチューリップの楽園 ――。
『世界がくれた美しい風景に出会う旅』は夫婦ともに元国際機関の職員である著者が、仕事や休暇で訪れた国々の魅力的な風景を集め、その街の魅力を余すことなく伝えたフォトエッセイです。
一度見たら忘れられないファンタジックな写真とともに、その国の人々のくらしを4回にわたってお届けします。
■台湾の猫の街
エジプト、モンテネグロ、レバノン、そしてトルコ。猫が大切にされている国や街に住んだり、旅したりしてきたせいか、猫探しの旅「猫旅」をする機会を模索することが多くなった。この台湾も例外ではなく、猫旅という視点で訪れた地のひとつだ。
猫カフェの発祥地とされている台湾。調べてみるとなんと台湾には猫村といわれている村があるとのこと。これは行くしかない。『千と千尋の神隠し』の舞台のひとつと噂されている九份を堪能してから、首都台北に向かう道中にある猴硐に向かうことにした。
九份から車で片道20分弱の位置にある猫村・猴硐は、時の流れとともにかつて盛んだった炭鉱業が衰退し、過疎化が進み、一度は寂れてしまったのだが、近年また猫村を中心にその魅力を取り戻しており、2013年にはCNNによって世界6大猫スポットとして選ばれている。その猴硐の猫村に到着するやいなや、第1村猫発見。
■猫の数は100匹以上。村に住む人間よりも多いとか
猫村というだけあって、あちらこちらにのびのびと暮らしている猫の姿を見かける。その数は100匹以上にものぼるらしく、村に住む人間よりも多いとか。
看板の下や駅のベンチなどそんなところにいたのか! と思うようなところにも猫がいて、見つけるたびにハッピーにしてくれるなんとも穏やかなひととき。地元の人々に愛されているのか、猫の餌場や水飲み場が村のいたるところに設置されていて、観光客であっても警戒することなく近づいてきて、擦り寄ってくる猫が多く感じた。
■コンパクトに歩きまわれるサイズ感の猫村
また、猫村を訪れたのは2023年8月の暑い夏の時期だったので、涼しげな木陰や日陰で気持ちよさそうに眠る猫たちにもほのぼのした。さらに、猫村には猫がいるだけでなく、猫のオブジェもたくさんあり、暑さをしのいだり、休憩できるカフェや、猫グッズが販売されているお店などもあって観光を満喫できる。汗だくになりながらも可愛らしい猫たちに癒やされ、途中途中でお洒落なカフェや涼しい木陰で休憩を挟みつつ、コンパクトに歩きまわれるサイズ感の猫村を楽しんだ。
猫たちがあまりにも可愛すぎるのでのんびり過ごしていると時間が過ぎるのがとてつもなく早い。気がつけばあっという間に予定していた滞在時間をはるかに超えており、惜しみながらも次の目的地へと向かうために猫村を後にした。何時間あっても足りず、まだまだゆっくり猫たちと過ごしたかったなと思わせてくれる猫旅となった。いつか他の国の猫スポットも旅したいと思う気持ちがさらに強まった。次はどこの猫スポットに行こうか、今からわくわくが止まらない。
東洋経済オンライン
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最終更新:9/15(日) 12:02