中国中銀、香港で最大規模の手形発行へ-人民元防衛で流動性吸収
(ブルームバーグ): 中国は人民元を防衛するため、香港市場で過去最大規模の短期証券を発行し過剰流動性を吸収する計画だ。
香港金融管理局(HKMA、中央銀行に相当)の発表によると、中国人民銀行(中銀)は香港で6カ月物手形600億元(約1兆3000億円)の入札を15日に実施する。オフショア人民元の需要を高め、人民元の借り入れやショート(売り持ち)構築に伴うコストを上昇させる。
ブルームバーグが集計したデータによれば、人民銀が2018年に香港での定期的な手形入札を開始して以来、今回の発行額は最大規模となる。
中国経済の低迷や米国による関税引き上げの可能性を受け、人民元相場の低迷が続いており、市場参加者の間では人民銀の通貨防衛策への関心が高まっている。
人民銀は毎営業日設定する中心レートを通じ、人民元の下支えを図ってきたほか、為替相場の行き過ぎを防ぐと市場に伝え、元の安定性をこれまで維持してきた。
オーバーシー・チャイニーズ銀行のストラテジスト、クリストファー・ウォン氏は、「政策当局が短期的に一段と厳しい流動性引き締め策を講じる可能性を排除できない」と指摘し、「現時点では、人民元の中心レートとオフショア人民元流動性吸収の組み合わせにより、人民元の安定化を図っている」との見方を示した。
人民銀は以前も香港での手形発行を増額。直近は23年だった。香港で元建て資産の選択肢を広げる取り組みは、人民元の国際化を目指す中国政府の長期目標にも合致している。
原題:China Ramps Up Yuan Support With Record Hong Kong Bill Issuance(抜粋)
--取材協力:Betty Hou、Iris Ouyang.
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最終更新:1/9(木) 17:38