JR久留米駅前で再開発事業、新幹線停車駅に新たなタワマンが誕生へ《楽待新聞》

4/22 19:00 配信

不動産投資の楽待

福岡県久留米市にあるJR久留米駅東口の目の前で、タワマンの建設が進められている。

地上36階建て、高さ約130メートルの規模であり、完成後は真隣にある35階建ての「ザ・ライオンズ久留米ウェリスタワー」とあわせ、2棟のタワマンが駅前にできることになる。

久留米市は、人口増加が続く福岡市のベッドタウンとして機能してきた。新たなタワマンは福岡市へのアクセスの良さが売りとなり、付属して建設される商業施設も駅周辺住民にとって重要な買い物の場となることが予想される。

現在の久留米駅の様子も確認しつつ、新たに建設されるタワマンについて見てみよう。

■JR久留米駅より「西鉄」の方がにぎやかだが…

久留米市は人口約30万人の東西に細長い市であり、福岡市の中心地から南へ30キロメートルに位置する。

今回の再開発地に隣接するJR久留米駅は市の北方に位置し、筑後川から400メートルほど南側に行った場所にある。

JR駅から東南東に2キロメートルの地点には、福岡・天神を起点とする西日本鉄道の西鉄久留米駅があり、久留米市の中心地は両駅のちょうど間付近だ。市の中心地では店舗やオフィスの入居した中層ビルのほか、マンションが並ぶ。

実は久留米は、JRの駅よりも西鉄の駅の方が活気がある。西鉄久留米駅周辺にはホテルや商業施設などが多い一方、JR久留米駅周辺には目立つ商業施設は無く、東口、西口側ともに住宅街となっている。

JR久留米駅は新幹線の停車駅ということもあり、周辺にはマンションも数多い。ひときわ目立つのが、地上35階建て、約121メートルのタワマン「ザ・ライオンズ久留米ウェリスタワー」である。

この隣に、件の新たなタワマンが建設される予定となっている。

交通アクセスについて見てみよう。JR久留米駅は九州新幹線、そして鹿児島本線の停車駅だ。博多までの所要時間は新幹線で15分弱、在来線では35~50分程度。ちなみに、隣県の熊本駅までの所要時間は新幹線で20~30分、在来線で1時間半である。

なお、JR久留米駅と西鉄久留米駅間は路線バスを使って15分弱で移動でき、西鉄久留米から天神までは急行・特急で30~40分程度。自動車の場合、JR久留米駅から福岡市の中心までは1時間程度かかる。

■再開発事業の概要は

現在工事が進められている再開発事業の正式名称は「JR久留米駅前第二街区第一種市街地再開発事業」。

前記の通り、JR駅東口のロータリー前が開発地であり、道路を挟んだ南隣にはウェリスタワーがある。ちなみに、ウェリスタワーは2011年の九州新幹線全線開業に合わせ、2010年に竣工した。

今回の再開発地には、もともと老朽化したビルや飲食店が並んでいた。組合の公式サイトによると本再開発事業の敷地面積は約8078平米、建築面積は約6504平米で、新タワマンは地上36階建て、高さ約130メートルである。

一般住宅343戸、シニア住宅115戸からなり、報道ではシニア住宅が3~9階、一般住宅が10~35階に入ると報じられている。36階には展望台が入るという。一般住宅の間取りは1LDKで3LDKタイプが最も多いようだ。

立体駐車場方式で、住民向けの駐車場も設置される。一般住宅の参加組合員は大和ハウス工業・大京・西日本鉄道・三菱地所レジデンスの4社で、シニア住宅の組合員はコスモスイニシアである。

なお、再開発ではタワマンだけでなく東隣には2階建ての商業ビルも建てられる。パース図を見ると面積はタワマンと同程度となっており、周辺住民をターゲットとした食品スーパーを誘致する予定だ。

商業施設はこの食品スーパーをメインの施設とし、その他に店舗や医療機関の入居も想定されている。旧建物群の解体工事は2021年10月に完了し、現在は建設中。竣工は2027年3月を予定する。

■福岡へのアクセスが売りに?

今回の再開発事業により、JR久留米駅前にはウェリスタワーに続き2つ目のタワマンができることになる。竣工時期から考えて販売は来年以降になるだろう。

久留米市の人口は約30万人。今がピークとみられ、緩やかに減少していく見込みだ。

とはいえ同市は福岡市のベッドタウンとして機能しており、福岡市の人口は現在の約165万人からピークの2040年頃には170万人を突破するとみられる。

九州では福岡市への一極集中が進む。新タワマンも福岡へのアクセスの良さが売りとなるだろう。

ちなみにウェリスタワーの販売当初における最多価格帯が4000万円であるのに対し、現在は中古でおよそ3300万円台で売りに出されている。築年数の経過とともに価格が低下している形だ。

今回の再開発事業で建設される新タワマンも同様、投資物件としての価値は期待できないが、駅前という優れた立地から高い需要が期待されそうである。

ウェリスタワーと合わせたタワマン2棟で約750戸であり、一帯にはマンションも多い。しかし駅周辺に食品スーパーは無く、飲食店やコンビニがいくつか並ぶだけである。タワマンと併せて建設される商業施設は、周辺住民にとって重要なショッピングエリアとなるだろう。

今回の再開発事業でJR駅周辺が活気を持つようになり、その利便性が認められれば、駅周辺で新たな分譲マンション開発が進むかもしれない。

山口伸/楽待新聞編集部

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最終更新:4/22(月) 19:00

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