21日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、FRB高官のタカ派的な発言などを受けて、1ドル=156円台前半に上伸した。午後5時現在は、156円21~22銭と前日(午後5時、155円74~74銭)比47銭のドル高・円安。
午前は、国内輸入企業の買いや時間外取引での米長期金利上昇でじり高となり、156円50銭近くへ上昇した。
午後も買いが継続し、156円50銭台に乗せたが、その後は日経平均株価が値を消したのをにらんで、156円30銭台へ軟化。終盤は、短期投機筋とみられる仕掛け的なドル売り・円買いが持ち込まれ、さらに156円00~10銭台に下落した。
前日の米国市場では、ボスティック・アトランタ連銀総裁が、インフレ2%目標に向かって鈍化していると自信を持つには「時間がかかる」と述べるなど、FRB高官からはタカ派的な発言が相次いだ。これを受けて、米長期金利は一時4.45%に上昇し、ドル円は156円台前半に水準を切り上げた。
東京市場は、実需買いや米金利上昇で156円台半ばに水準を切り上げたが、終盤にかけては156円台前半と前日の米市場のレベルへ押し戻された。手掛かり材料が乏しい中、「政府・日銀が介入したとみられるレベルに接近したことで、仕掛け的な売りが出た」(外為仲介業者)とみられている。
米国時間にウォラーFRB理事やウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁らの講演などが予定される。市場では、前日に続いてインフレ鈍化に慎重な姿勢を示すとの見方が多い。
ユーロは対円で上昇、対ドルは下落。午後5時現在は、1ユーロ=169円72~73銭(前日午後5時、169円32~33銭)、対ドルでは1.0864~0865ドル(同1.0872~0872ドル)。(了)
時事通信
最終更新:5/21(火) 17:35
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