米ドル/円はダウ理論のとおり148.91円を割りこみ、米雇用統計の前日から下げ始めた
米ドル/円は、先週のコラムでご案内した148.91円を3月7日(木)に割り込み、米雇用統計(3月8日)の前日から下げ始めました。
米雇用統計というイベントで動いたように思う方もいるかもしれませんが、相場が動くときには、イベント前からチャートが動き出していることは、拙著『手堅く勝てる兼業FX(改訂版)』でいくつかの事例を挙げてご説明したとおりで、今回も1日前に動き出しました。
米ドル/円はダウ理論のとおり、148.91円を割って下げたので、メルマガ会員やコラム読者の方々は、先週(3月4日~)の時点で200pips以上の利益になっていたはずです。
米ドル/円相場のレベルが全体的に上がっており、数年前より値動きが激しい通貨ペアとなる可能性
そもそも、米ドル/円は昨年(2023年)12月29日(金)安値140.24円から、2月13日(火)高値150.87円まで、わずか1カ月半で約10.50円上昇しました。そこから3週間の膠着を経て、高値から4円以上急落しています。
2カ月ちょっとで、10円以上上昇して、4円以上下落するという、かなり値動きの激しい、ボラティリティの高い相場になっています。
月足を見ると、現在の3月足は2月足の値幅内の推移が続いています。
2月の高値は150.87円、安値は145.88円で、米ドル/円は高い水準が維持されてます。
米ドル/円相場のレベルが全体に上がっているということは、変動幅も大きくなりがちです。
米ドル/円が120円以下だったころの米ドル/円相場は年間の変動幅が狭いときは5円程度、広くて10円程度でした。
それを考えると、1カ月ちょっとで以前の年間変動幅を動いているわけで、米ドル/円レートの水準が上がってきた分、変動率も大きくなっているのかもしれません。
この水準が定着すると、数年前より値動きが激しい通貨ペアとなる可能性がありそうです。
ダウ理論と適切な取引方法を使うことで、値動きが激しい相場に張り付かなくても、値動きに乗ることができる
値動きが激しいということは、上手く乗れれば短期間で大きな利益になりますが、間違えるとすぐに損失が拡大してしまいます。
これは、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)などのクロス通貨で、より強い傾向がありそうです。
このボラティリティに対処するには、相場に張り付いて敏捷な取引をするか、チャートに従った戦略を取るかが大事になりそうです。
ただ、FXは24時間動くので、寝ている間は相場を見れませんし、本業をお持ちの方は、仕事中に値動きを追うのも難しいことでしょう。
ですが、ダウ理論と適切な取引方法を使うことで、相場に張り付かなくても、値動きに乗ることができます。
私のメルマガが「副業FX!」となっているのもこのためで、チャート分析をすることで、相場に張り付かずに利益を狙う戦略をとっています。
資金管理も含め、こうした取引技術が個人投資家には大事だと思っていますし、技術なので学べば誰にでもできると考えています。
直近の米ドル/円は少し調整の可能性。それに応じた戦略を考えることができる
直近の米ドル/円は、少し調整の可能性が出ています。
拙著『相場の壁とレンジで稼ぐFX(改訂版)』でもご解説したとおり、相場調整は値幅でされる場合と時間でされる場合の2種類があります。
ただ、どちらのタイプになるかは動きを見ないとわかりません。
それでも、調整の兆しを見つけられると、それに応じた戦略を考えることができます。だからチャート分析は大事です。
米ドル/円は、来週(3月18日~)の日銀会合(日銀金融政策決定会合)に向けて注目が集まっており、市場参加者の多数派がどう動くかが注目されます。
ザイFX!
最終更新:3/12(火) 18:07
Copyright © 2024 DIAMOND FINANCIAL RESEARCH Ltd. 記事の無断転用を禁じます。
© LY Corporation