(ブルームバーグ): 米ボーイングを信頼の危機に陥れた飛行中のパネル吹き飛び事故は、同社の安全文化の欠点を考慮すれば、驚きではなかったと、航空宇宙の専門家が17日に米議会で証言する予定だ。1月5日にアラスカ航空が運航する「737MAX9」は、離陸直後に機体のパネルが吹き飛んでいた。
航空宇宙エンジニアでマサチューセッツ工科大学(MIT)の講師でもあるハビエル・デ・ルイス氏は上院商業科学運輸委員会の公聴会で、2018年と19年に起きた2件の737MAX墜落事故で346人が死亡後、ボーイングの変革のペースとコミットメントが必要な水準に達していないと発言する方針だ。同氏は今年に入りボーイングの安全文化に関する報告書を執筆した、米連邦航空局(FAA)が招集した専門家の1人。
デ・ルイス氏は公聴会のために準備された文書で、ボーイングのブライアン・ウェスト最高財務責任者(CFO)による先月の「憂慮すべき」発言を引用。同CFOは、同社が品質よりも航空機の生産を重視していることを改める必要があり、1月の事故を受け、同社の経営陣は「それを理解した」と発言した。
米調査当局者によると、同機にはパネルを固定するための4本の重要なボルトが欠落していたとみられるという。
デ・ルイス氏は「私は彼らが5年前に理解していたと思っていた」と同文書で指摘。同氏の兄弟は19年3月のエチオピア航空の737MAX墜落事故で死亡した乗客の1人。
ボーイングの担当者はコメントを控えた。上院商業委によると、同社は同委の調査結果を受け、5月28日の期限までに、品質と安全対策を抜本的に見直す90日間の計画を準備している。
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原題:Boeing Plane’s Mid-Air Blowout Not A Surprise, FAA Panelist Says(抜粋)
--取材協力:Julie Johnsson.
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最終更新:4/17(水) 13:24
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