【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ "鳥の目"で円高メリット株を選別!

9/8 9:30 配信

株探ニュース

「“鳥の目”で円高メリット株を選別!」

●9月相場は巻き返しに期待、FOMCがポイントに

 9月相場は現在のところ残念な展開だ。私は月初からの上昇を見込んでいたのだが、予想とは裏腹な推移をみせている。ただ、9月相場は例年、そこまで先行きを案じるほどの厳しい相場展開とはなっていない。この10年を振り返ってみても、9月の日経平均株価の月足チャートが陽線となったのは5回、陰線になったのが4回、横ばいが1回だ。決して力強く上昇したわけではないが、10月からの上昇に備えて助走的な動きとなる傾向がある。今年の9月相場はまだ始まったばかりであり、ここから回復に転じる可能性はまだたっぷりと残されているため、今後の巻き返しに期待したいところだ。

 なにしろ、今月は9月17~18日にFOMC(米連邦公開市場委員会)の開催が予定されているのだ。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長はさきのジャクソンホール会議で「来月利下げを実施する」とまで明言はしなかったものの、それを匂わす発言を行っている。加えて、米8月ISM製造業景気指数は7月の46.8から47.2に上昇はしたが、景気拡大・縮小の分岐点となる50を5カ月 連続で下回ったことはご承知の通りだ。

 パウエル議長はこれまでことあるごとに、金融政策は経済指標を見て決めると表明している(当然のことではあるが……)。この点から、今回利下げを見送ることはまず考えられない。そのため、米国の短中長期債利回りは2年債、5年債、10年債がすでに4%台を割り込み、残る30年債も4%割れは時間の問題となっている。市場金利の下落は政策金利の下落を促すのが常識、そして、それは株高要因となる。

●パルHD、すかいらーく、ハウス食Gなどに妙味

 東京市場にとってそれは円高・ドル安要因ともなるため、日経平均株価は短期的には順調には上昇はできないだろうが、投資ではいわゆる「鳥の目」「虫の目」「魚の目」を保つことが大事だ。特に、金利動向が市場に与える影響を考える場合は「鳥の目」の活用が不可欠。それによると、ここから3~6カ月後には米国の金利は現在の水準よりも確実に下がり、円相場は上昇していることになるが、そのスピードは緩やかで、円高の影響力は現在よりもマイルドなものになっていることが考えられる。

 それでも円の上昇は続くことになるため、投資対象も 円高メリットを受ける銘柄の中から選んでおきたい。そこでまず注目したいのは、若い女性向けセレクトショップ「チャオパニック」を運営するパルグループホールディングス <2726> [東証P]になる。この会社は300円均一商品を販売する「3コインズ」も運営しており、ともに輸入品を扱っているため、円高によるメリットは大。株価は8月27日に直近高値をつけたあと小幅に下げ、いまはそこからの回復途上にあり、新値に進むことになりそうだ。

 ファミリーレストラン最大手のすかいらーくホールディングス <3197> [東証P]も円高メリットを受けることになる。私は実店舗に足を運ぶ機会は最近ほとんどなくなっているのだが、同社が運営する「ガスト」には時々出前を頼んでいるので、わが家も売上に寄与していることになるかもしれない。

 カレールウ国内首位のハウス食品グループ本社 <2810> [東証P]も地味ながら、今後緩やかな続伸が見込める。 カレーは寿司やラーメンほどではないものの、かなりの人気メニュー。またわが家の話しになるが、「今夜何にしようか」と妻が困った表情をみせる時には、私は決まって「カレーでいいよ」と答える。多くの家庭でこんな会話が交わされているに違いなく、カレールウの消費も好調だ。

カレー専門店「CoCo壱番屋 」を運営する壱番屋 <7630> [東証P]もハウス食Gの傘下企業となる。壱番屋は業績好調ながら、その株価はなぜか下げ止まらない。そろそろ底を打ってもおかしくなく、いまのところはそれを待ちたい。

 「肉のハナマサ」「ジャパンミート生鮮館」「スーパーみらべる」などのスーパー運営で躍進が続くJMホールディングス <3539> [東証P]も、私にいわせると実力相応の評価は得ていない。あらゆる生活必需品の価格が上昇中であることを考えると、低価格路線を突っ走っているこの会社は消費者の支持を集めると見てよく、株も期待が持てる。

 名古屋に拠点を置き、全国展開中のヨシックスホールディングス <3221> [東証P]は、居酒屋チェーン「や台や」や寿司居酒屋などを展開。店舗の設計や建築まで自前で行うほどの効率経営で知られ、借入金はほとんどなく、キャッシュフローも潤沢。株価は見直し買いが見込める。

 最後に、ベイカレント <6532> [東証P]を。DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入に強い総合コンサルタント企業として前回の本コラムで紹介したが、同社はメイワー・インベストメント・マネジメント社が5%超の株を所有したことが明らかになっている。投資目的とのことだが、そうだとしてもこの会社を有望と見ているが故の大量保有と見てよいため、改めて取り上げておきたい。

2024年9月6日 記

株探ニュース(minkabu PRESS)

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最終更新:9/8(日) 20:40

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