女性秘書が絶句した、38歳「エリート上司」との社内交際中に発覚した、同性の部下からの「ヤバすぎる訴え」

3/28 7:02 配信

マネー現代

若く優秀なエリートの転落

(文 村井 真子) 労務相談やハラスメント対応を主力業務として扱っている社労士である私が、労務顧問として社労士として企業の皆様から受ける相談は多岐にわたります。

 経済や社会情勢の変化によって労働問題やハラスメントの捉え方も変わり、「明らかにアウト」「明らかにセーフ」といった線が引きにくい時代になりました。

 社労士としてグレーゾーンの問題を取り扱ってきた経験では、こうした問題に対処するには労働法だけではなく、マネジメントや人事制度など幅広い知識が必要になります。

 あるIT企業で部長職にあったT部長(38歳)は、若く優秀なエリートでした。しかし、社内の複数の女性社員との恋愛トラブルを起こし、しかもそのうち1名とは会社の経費でデートしていたのです。T部長は会社にとって自分は必要な人材だと自負していましたが、社員からもセクハラと告発を受け、そのためにT部長は諭旨解雇処分となりました。

 一体、どのような経緯で、T部長はこのような事態を招いていったのでしょうか。また、どうして恋愛トラブルが解雇相当のセクハラと判断されたのでしょうか。

 今回は相談事例の中から、「なぜT部長は解雇まで至ったのか」という観点で事例を見ていきたいと思います。

一通のメールで事態が変わった

 T部長の勤務していた企業は、創業して数年のITベンチャーでした。T部長はもともと大手企業で勤務していましたが、制約の多い大手企業より自分の力を試したいと創業して間もない同社に転職しました。

 まだ組織体としては未完成なところも多かったため、大企業のノウハウを持っていたT部長はすぐに頭角を表すことになります。法人向け営業では同社のトッププレイヤーとして貢献し、転職後1年で部長に就任することになりました。

 T部長はノウハウを教えることに長けていただけではなく、自身も精力的に仕事を獲得してきたため、社内でも尊敬され、大きな権限を手にしたのです。

 そんなT部長に好意を寄せるようになったのは、T部長の秘書をしていたEさんでした。Eさんは創業メンバーの一人でしたが、T部長のスケジュール管理や細かな会食の手配などのために秘書として就くことになったのです。

 T部長とEさんはともに独身であり、多くの時間をともにするにつれて、EさんはT部長のことを生涯のパートナーとして意識するようになりました。

 ただ、Eさんには少し懸念がありました。T部長はとても優秀だし、男性としても魅力的だけれど、金遣いが少し荒いような気がしたのです。

 社外の人脈獲得のためといろいろな会合にも参加しており、連日接待もあります。もともと同社にはそのような文化はなかったのですが、T部長が持ち込んだこの方法で実際売り上げをとれることも多かったため、Eさんが創業メンバーの役員たちに相談しても「経費より利益のほうが多いし、T部長に任せておこう」と特に問題視はされませんでした。

 ところが半年ほどたって、EさんがT部長の秘書を外れることになります。理由は同社がより大きな資金調達を必要とするフェーズになり、専任の窓口担当者が必要になったからです。

 Eさんは業界知識も深く、T部長に同行して様々な企業役員とも会ってきたため、渉外担当室へ抜擢されることになりました。Eさんは心中穏やかではなく、またT部長も残念がっていましたが、数日後には人事異動が発令されました。それを機に会社のメンバーには内緒でEさんはT部長と交際することになり、忙しい時間の間を縫って逢瀬を重ねました。

 ところが、Eさんのもとに後輩社員のIさんから一通のメールが入ります。メールはIさんがT部長からセクハラを受けた、対策について相談したいという内容でした。

 女性で管理職者でもあったため、セクハラ相談窓口担当者になっていたEさんは、内心の動揺を押し殺しながらIさんの話を聞きました。

 そこにはEさんの全く知らなかったT部長の姿がありました。

 つづきの<【後編】38歳の“エリート部長”が「横領金300万」で部下にボディタッチ…訴えられた「セクハラ上司」が会社に放った”キモい”言い訳>では、Iさんの証言をもとに、会社がセクハラ問題をどう解決に導いたのか、その詳細とT部長の末路を明かします。

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最終更新:3/28(木) 7:02

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