アングル:ウォルマートの強気業績見通し、米消費の底堅さ示す

5/17 11:33 配信

ロイター

Siddharth Cavale Aishwarya Venugopal

[16日 ロイター] - 米小売大手ウォルマートが16日発表した強気な業績見通しは、米国の消費が底堅いことを伝えている。同社の主要サプライヤーや競合他社の一角からも、同様の状況が示されている。

ウォルマートの複数の幹部は16日、国内の買い物客が財布のひもを緩め、店舗やオンラインで値引きされた商品に支出していると指摘。多くの人々は利便性を求めて同社のデリバリーサービスを利用していると述べた。

ウォルマートは今年度通期の業績見通しを上方修正し、第1・四半期(2─4月)決算は市場予想を上回った。同社株は16日に約7%上昇。ターゲットやダラー・ジェネラル、ダラー・トゥリーといったライバル勢の株価もつれて値上がりした。

ウォルマートの主要サプライヤーである日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)も最近、通期の利益見通しを引き上げている。同社の幹部は4月19日、最大市場である米国の販売量が約3%増えたと明らかにした。

一方、ウォルマートのライバルであるホームセンター大手ホーム・デポは四半期の売上高が市場予想よりも大幅な減少となったが、通期の業績見通しを据え置いた。これについてアナリストらは、同社は今年度下半期に支出環境が改善すると予想していることが読み取れると話している。

もっとも小売りや食品の数社は、年間所得3万5000ドル未満の低所得層のひっ迫が悪化、もしくは継続している状況も指摘している。ウォルマートはフードスタンプ(低所得世帯の食品購入を補助するための金券)を受け入れており、販売価格を低く据え置く方針だ。

ウォルマートの幹部によると、同社は4月に値引き価格を設定した食品と日用品が前年同月と比べて45%増えた。

一方で年間所得が10万ドルを超える高所得世帯も支出を増やしている。ウォルマートの幹部は16日、同社のオンライン販売は高所得層がけん引しているとの見方を示した。

15日発表された4月の米小売売上高は予想外に前月比横ばいとなった。ガソリンや家賃の値上がりにより、他の商品への支出が抑えられた。

ウォルマートの幹部は16日、第1・四半期は買い物1回当たりの平均支出額が前年同期比で横ばいにとどまったが、競合他社との価格差を維持したことが店舗とウェブサイトへの訪問客が増える要因になったと説明した。

F/mインベストメンツのシニア・ポートフォリオマネジャー、ドン・ネスベット氏は「支出余力のある中所得層と高所得層の獲得競争になっている」と話した。

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最終更新:5/17(金) 11:33

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