なぜ高齢者も対象に?2026年4月開始「子ども・子育て支援金」の負担額はいくらか|【年収別】支援金の試算額

2/8 19:30 配信

LIMO

少子化対策を強化するため、国が導入を進めている「子ども・子育て支援金制度」は、医療保険料に上乗せする形で財源を確保する新しい制度です。

この制度では、現役世代だけでなく、75歳以上の後期高齢者も負担対象となります。年金生活を送る人が多い中、「毎月いくら支払うことになるのか」「生活への影響はどの程度なのか」と不安を感じている人も少なくありません。

本記事では、子ども・子育て支援金制度の概要を整理したうえで、後期高齢者が負担する支援金の目安や開始時期について、分かりやすく解説します。

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子ども・子育て支援金制度とは?

●子ども・子育て支援金制度の概要
子ども・子育て支援金制度は、少子化対策を安定的に進めるための財源確保策です。

2023年に策定された、こども未来戦略「加速化プラン」では、児童手当の拡充や育休時、時短勤務時の給付金支給などが盛り込まれ、支援金はこれらの子育て施策の拡充に充てられる予定です。

【子育て支援の拡充(今年実施分まで)】

 ・令和6年10月~ 児童手当の拡充(所得制限の撤廃、高校生までの延長、第3子以降3万円)
 ・令和7年4月~ 妊婦10万円給付(妊娠・出産時に合計10万円給付)
 ・令和7年4月~ 育休手取り10割(両親が育休取得した場合に手取り10割相当を支給)
 ・令和7年4月~ 時短勤務給付(育児中に時短勤務する場合に時短勤務時の賃金の10%を支給)
 ・令和8年4月~ こども誰でも通園制度(保育所等に通っていないこどもの保護者が月10時間利用可能)
 ・令和8年10月~ 育児期間中の国民年金保険料免除(フリーランスの方の育児期間中の年金保険料免除)
既に実施されているものもありますが、今後は保育サービスの充実や児童手当の拡充などがスタートする予定で、0歳から高校生に至るまで、次世代を担う子どもたちを育てる施策に支援金が活用されることになります。

●子ども・子育て支援金制度は「全世代」が関わる制度
この制度の特徴は、子育て世帯に限らず、独身の方、高齢の方、そして企業も支援金を拠出する仕組みになっていて、世代を問わず、社会全体で子育てを支える仕組みとして設計されている点です。

支援金の徴収は、新たな税金を導入するのではなく、医療保険料に上乗せする形で集められます。会社員が加入する健康保険や国民健康保険、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度も対象に含まれます。

なぜ75歳以上の後期高齢者も負担するのか

後期高齢者も支援金を負担する背景には、「全世代型社会保障」という考え方があります。

少子高齢化が進む中、子どもや子育て世代を支援することは、将来の社会保障制度を維持するためにも重要だとされています。

そのため、特定の世代だけに負担を集中させるのではなく、広く国民全体で支える必要があると国は説明しています。

ちなみに支援金は、社会保障の歳出改革も同時に行うことで社会保障費を削減し、その範囲内で支援金を負担するように定められています。

したがって、支援金の負担だけが増えるというわけではなく、社会保険料の負担軽減により、実質的な負担は相殺されるようになっています。

後期高齢者の負担はいくら?いつから?

子ども・子育て支援金制度は、2026年度(令和8年4月)から段階的に導入される予定です。導入初期は負担を抑え、数年かけて本格的に実施される見通しとなっています。

後期高齢者の負担額は、月額数百円程度になる見込みです。

【後期高齢者医療制度加入者・一人当たりの支援金平均月額の試算】
令和8年度見込み額 200円
令和9年度見込み額 250円
令和10年度見込み額 350円

平均的な年金収入がある場合は、月額200~300円程度の負担になる可能性があります。年額では数千円程度ですが、物価高が続く中では、家計への影響を実感する人もいるでしょう。

ただし、支援金の金額は一律ではなく、所得水準によって異なります。低所得の後期高齢者については、これまでの医療保険料と同様に、一定の軽減措置が設けられます。

なお、実際の支援金月額に関しては、お住まいの地域や所得によって異なります。具体的な額や徴収開始時期に関しては、市町村などへの問い合わせが必要です。

令和8年度の負担はいくら?【年収別】支援金の試算額

それでは、政府が示している資料をもとに、後期高齢者の支援金額の目安を具体的に見てみましょう。

●後期高齢者医療制度における年収別の支援金月額の試算(令和8年度)
 ・年収80万円 被保険者一人当たり50円
 ・年収100万円 被保険者一人当たり50円
 ・年収125万円 被保険者一人当たり50円
 ・年収150万円 被保険者一人当たり50円
 ・年収175万円 被保険者一人当たり100円
 ・年収200万円 被保険者一人当たり200円
まず、年金収入が比較的少なく、医療保険料の軽減措置を受けている後期高齢者の場合、支援金は月額50円程度に抑えられる見込みです。負担は小さいものの、免除されるわけではありません。

支援金の金額に関しては、年金収入が、平均的とされる年200万円の後期高齢者では、月額200円程度が想定されています。年額に換算すると約2400円となります。

ただし、これが令和10年度の試算だと、350円程度になる可能性があります(※)。年間では4000円ほどの支出となるため、徐々に負担を感じる世帯もあるかもしれません。※こども家庭庁「子ども・子育て支援金に関する試算(医療保険加入者一人当たり平均月額)」より注5参照

なお、これらは現時点での試算であり、今後の制度設計によって変更される可能性がある点には注意が必要です。

まとめ

今回の記事では、子ども・子育て支援金制度の概要、後期高齢者が負担する支援金の目安や開始時期について解説しました。

子ども・子育て支援金制度は、少子化対策を社会全体で支えるために導入される新たな仕組みですが、75歳以上の後期高齢者も負担対象となり、月額数百円程度の支援金を支払うことになる見通しです。

金額自体は大きくありませんが、将来世代を全世代で支えるという制度の趣旨を踏まえ、冷静に受け止めることが必要になりそうです。

今後、正式な金額や軽減措置の詳細が示される予定であり、引き続き最新情報を確認していくことが重要です。

参考資料

 ・こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」

土屋 史恵

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最終更新:2/10(火) 18:45

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