日銀の利上げ、歴史的な転換との見方には懐疑的-元総裁の白川氏

3/28 18:04 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 日本銀行が17年ぶりの利上げに先週踏み切ったことについて、元日銀総裁の白川方明氏は歴史的な政策転換と見なされることに懐疑的な見方を示した。

白川氏は英文ニュースの日経アジアに寄稿し、「日銀の決定はメディアやエコノミストから大きな関心を集めている。一部のジャーナリストは『歴史的な転換点』とさえ呼んでいる」と指摘した上で、「私としては大げさに感じるが、真実は5年後、10年後と振り返ってみて初めて明らかになるだろう」と記した。

日銀は19日の金融政策決定会合で、マイナス金利を解除し、17年ぶりの利上げを決定。イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の廃止や上場投資信託(ETF)の新規購入の停止も決めた。

日銀が17年ぶり利上げ決定、世界最後のマイナス金利に幕-YCC廃止

この日銀の決定後、日銀総裁経験者が公に広く意見を示したのは白川氏が初めて。白川氏が日銀総裁として実施した緩和策は小さ過ぎて遅過ぎると批判されたが、日銀は13年、白川氏の後任となった黒田東彦総裁(当時)の下で歴史的な金融緩和を打ち出した。

白川氏は自身の考えについて、そもそも黒田氏が進めた極端な緩和策がそれほど効果的だとは立証されず、その打ち切りが経済に大きな影響を与える可能性は低いとみているためだと説明した。

原題:Ex-BOJ Chief Shirakawa Doubts Rate Increase Marked Historic Turn (抜粋)

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最終更新:3/28(木) 18:04

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