米TI、強気の売上高見通し示す-半導体需要の低迷緩和を示唆

4/24 5:21 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米テキサス・インスツルメンツ(TI)は4-6月(第2四半期)売上高について強気の見通しを示した。産業用および自動車用電子部品の需要低迷が緩和されつつあることが示唆された。

23日の発表資料によれば、4-6月期売上高は最大39億5000万ドル(約6100億円)の見通し。ブルームバーグ集計データでは、アナリスト予想は37億8000万ドルだった。1株利益見通しは1.05ドル-1.25ドル。市場予想は1.17ドルだった。

発表を受け、TIの株価は通常取引後の時間外取引で一時6%余り上昇した。

TIの見通しからは、在庫を使い切った顧客が半導体発注を再開し始めたことがうかがわれ、業界全体には良い兆候だ。半導体メーカーの中で最も広範な顧客基盤を持つTIは、宇宙向け設備から家電までさまざまな産業分野の景況感を示す指標となっている。

TIによれば、最大のセグメントである産業機器メーカー顧客の大半は、在庫圧縮の取り組みを完了した。だが一部の顧客はまだその過程にある。このため需要回復はまだら模様になると、ラファエル・リザルディ最高財務責任者(CFO)がインタビューで語った。

リザルディ氏は「一部のエンドマーケットはなお下降基調にあり、異なる動きが見られる市場もある」とした上で、「90日前は、あらゆる産業向けエンドマーケットが落ち込んでいた」と述べた。

ただ同社は、こうした初期の兆候は誤ったサインの可能性もあるとして、過度に深読みはしていないという。TIは、需要の先行きに関する大まかな見通しを示さない方針を続けると表明した。

減収続く

TIでは売上高が1年強にわたって減少してきた。1-3月(第1四半期)売上高は16%減の36億6000万ドルと、2020年以来の低水準。アナリスト予想は36億ドルだった。1株利益は1.20ドルで、前年同期の1.85ドルから減少した。

同社が主に手掛ける半導体は一般に、デジタル製品ほど高度な製造技術を要しないが、TIは製造設備について思い切った刷新計画に着手した。その一環として生産の外部委託をほぼ全面的に終了する。

それによりTIは競合他社、特に中国の新興企業に対して有利になると主張している。収益性を圧迫することになるが、新しい工場・設備に2026年末まで年約50億ドルの予算を組む。

原題:Texas Instruments Gives Solid Forecast in Sign of Comeback (2)(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:4/24(水) 9:37

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