(ブルームバーグ): 米上院本会議は4月30日、ロシアからのウラン燃料輸入を禁止する法案を全会一致で可決した。下院は昨年12月に可決済みで、署名のためにバイデン大統領に送付され、成立する運び。ホワイトハウスは国内原子炉向けのロシア産ウラン燃料輸入の長期禁止を議会に求めていた。
成立から90日後に輸入を禁止する同法には一定の条件下で2028年1月まで輸入を認める例外条項が盛り込まれている。
米エネルギー省のデータによると、ロシアは米国内の90基余りの商業用原子炉の燃料として使用されているウランの約4分の1を供給。年間で推定10億ドル(約1580億円)の収入を得ており、米国の最大の海外調達先となっている。このため代替調達先は容易に見つからず、調達コストが20%程度跳ね上がる可能性がある。
米国が輸入を禁止した場合、ロシアが対米輸出禁止措置を講じる可能性がある。その場合、ロシアからのウラン燃料の供給は停止され、例外措置は意味を失う。
輸入禁止措置の影響が米国の原子炉運営会社に及ぶのは少し先になるだろう。原子炉は通常18-24カ月ごとに燃料を補給し、燃料購入の交渉はかなり前に行う。従って大半の原子炉運営会社は、少なくとも向こう数年分のウラン燃料を既に確保しているとみられる。
原題:Senate Passes Russian Uranium Import Ban, Sending to Biden (1)(抜粋)
--取材協力:Will Wade.
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最終更新:5/1(水) 12:32
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