中国10月鉱工業生産、予想下回る 小売売上高はセール効果で上振れ
[北京 15日 ロイター] - 中国国家統計局が15日発表した10月の鉱工業生産は前年比5.3%増加と、伸び率は9月の5.4%から鈍化し、市場予想(5.6%増)を下回った。一方、同月の小売売上高は大型連休やインターネット通販セールの押し上げ効果で予想から上振れた。
政府が一連の景気刺激策を打ち出したにもかかわらず、経済指標は強弱まちまちで、景気の勢いがなお鈍いことが浮き彫りとなった。
10月の小売売上高は4.8%増と、9月の3.2%増から加速。市場予想の3.8%増も上回った。
国慶節(建国記念日)の大型連休のほか、10月14日に前倒しで始まった「独身の日」のネット通販セールに押し上げられた。中国の調査会社、星図数据によると、主要EC(電子商取引)プラットフォームのセール期間の売上高は26.6%増の1兆4400億元だった。
1─10月の固定資産投資は前年同期比3.4%増加と、1─9月と同じ伸び率だった。市場予想の3.5%増を下回った。
中国人民銀行が9月に発表したコロナ禍以降最大の景気刺激策や 中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会が決定した地方政務の「隠れ債務」への10兆元規模の対策など、相次ぐ措置について、アナリストは経済活動や需要、物価の押し上げ効果はそれほど大きくないと指摘する。
トランプ次期米大統領は中国からの輸入品に高関税を課し、対中強硬派を政権幹部に指名すると表明しており、中国当局は引き続き景気への対応を迫られるとみられる。
ロイター
関連ニュース
- コラム:トランプ氏勝利・経済対策不発でも中国株上昇の訳
- 焦点:中国半導体業界、トランプ政権下の米中対立に備え戦略模索
- 焦点:中国、トランプ氏返り咲きに準備 1期目と異なる対応
- アングル:米金融機関が中国事業縮小へ、成長鈍化にトランプ氏復帰が追い打ち
- コラム:トランプ氏復帰で再び「通商戦争」、狭まる中国の対抗策
最終更新:11/15(金) 12:21