EXILEら所属「LDH」子供プロジェクトに注力の訳 TETSUYA、吉野北人、木村慧人にインタビュー

5/25 10:32 配信

東洋経済オンライン

 EXILEが所属するLDHは、子どもたちをもっと笑顔にしたいという想いを込めたキッズエンターテインメントプロジェクト「KIDS B HAPPY」を2021年に始動させている。2023年には、活動を象徴するアイコンとして、LDHの中で選抜されたメンバーで構成されるユニット、「EXILE B HAPPY」を結成した。

 三井不動産と連動した『ららぽーと』各施設での、子どもたちも参加ができるダンスワークショップショーや、W TOKYOとタッグを組み、全国のTGC(東京ガールズコレクション)開催地域で、地方創生イベント「EXILE TETSUYA with EXPG」と題して、ダンスワークショップショーを開催。市区町村の身近な場所から子どもたちがエンターテインメントに触れる機会を作ることで、子どもたちの未来の可能性を広げるとともに、地方創生の役割も担っている。

 社会におけるエンターテインメントの役割を担うLDHが掲げるのは「Circle of Dreams」。「EXILE B HAPPY」では、子どもたちの夢を一緒に育て、未来へとつなげていく。

 今回はメンバーを代表して、リーダーのEXILE TETSUYA、THE RAMPAGEの吉野北人、FANTASTICSの木村慧人に“エンターテインメントの力”を聞いた。

■エンターテインメントで子どもたちに何ができるか

 ――LDHが子ども向けのプロジェクト「KIDS B HAPPY」を始動させた経緯を教えてください。

 TETSUYA:もともとLDHは「Dreams for Children」をテーマに掲げ、社会貢献活動の一環として、エンターテインメントの力で子どもたちに何ができるかを考えて、子どもたちのための活動にずっと取り組んできました。

 LDHがさまざまな場所でいろいろな活動をしてきたなかで、それを1つのプロジェクトとして進めているのが「KIDS B HAPPY」です。このプロジェクトは、2021年にスタートしました。

 コロナが明けた昨年くらいから、たくさんお声がけいただくようになり、いろいろな地方のイベントでダンスワークショップショー「EXILE TETSUYA with EXPG」を開催しています。

 ――そうしたなかで、グループを超えてメンバーが集まるユニット、「EXILE B HAPPY」も結成しました。

 TETSUYA:それまでのイベントでは、EXILEの曲を使うことが多かったのですが、このプロジェクトを象徴する楽曲があったほうが、プロジェクト自体をより明確な形にして発信していけると考えました。

 そのためにはグループも必要です。それまでは「EXILE TETSUYA+○○」という形で、スケジュールの合間を縫って来てくれた、子ども好きのメンバーと一緒に活動していたのですが、よりプロジェクトを大きくしていくためのアイコンとなるべく、昨年から『EXILE B HAPPY』として動き出しました。

 ――吉野さんと木村さんはどんな想いで、このプロジェクトに参画したのですか? 

 吉野北人:グループの兼任も初めてですし、THE RAMPAGEとはまったくコンセプトが異なるので、最初は戸惑いもありました。でも、子どもがとても好きで、いつかこういう活動ができたらいいなと思っていたので、嬉しかったです。

 グループとしても、「EXILE B HAPPY」はツインボーカルなので、普段の自分では見せられていない表現にも挑戦できることが楽しくて。子どもたちと歌って踊って、一緒に未来に向かって走っていこうとする活動に参加できて、本当に感謝しています。

 木村慧人:僕も子どもたちが笑っている姿を見るのが大好きなので、この活動を通して、ダンスや歌を一緒に楽しんでいます。

 ダンスレッスンでは、一生懸命取り組む子どもたちに接しながら、僕自身が影響を受けることもあります。もっともっとこの幸せな空間を作っていきたいと感じています。

■子どもたちに楽しかった思い出を残したい

 ――プロジェクトの象徴となるグループが誕生し、オリジナルの新曲「MORNING SUN」を発表しました。これまでの活動とは伝わり方が違ったり、幅が広がったことはありますか? 

 TETSUYA:まったく変わりました。メンバーが固定されていることで、イベントに参加していただいた子どもやご家族がこのプロジェクトに対してイメージを抱きやすくなり、しっかり心に刻んでいただけている手応えがあります。

 家や学校で「MORNING SUN」を歌ったり、踊ったりするときに、僕らのことを思い出してくれるかもしれない。グループとして存在していれば、そんな子どもたちのレッスン体験のときの気持ちや、楽しかった思い出がいつまでも心に残り、僕らはそのなかで一緒に生きている。それまでやってきたこととは、ステージの違う活動になっていると思います。

 ――東京だけではなく、全国の小学校でのワークショップなど、地方創生ともかかわる活動にも取り組んでいます。

 TETSUYA:小学校だけではなく、自治体とのパートナーシップによるSDGs推進型の地域イベントでも、ワークショップを実施しています。新曲のダンスをレクチャーして、最後は一緒に踊って、TikTokで配信したりしています。

 無料でキッズも参加しやすいイベントなので、毎回地元の子どもたちがたくさん集まってくれて。ご家族が温かく見守るなか、健康促進の運動イベントとしても楽しんでいただいています。いろいろな地域に行かせていただいていますが、今後は全国津々浦々をツアーで周りたいですね。

 ――子どもたちがプロのエンターテインメントに直接触れることの影響や、役割はどう考えますか? 

 TETSUYA:僕が最初に会った芸能人は、『男はつらいよ』で寅さんを演じていた渥美清さんです。撮影現場で、寅さんの衣装を着たまま、集まった子どもたちにたくさん話しかけて、頭をなでてくれたりして。そういうことは一生の思い出に残ると、心を打たれました。

 ワークショップで会う子どもたちにとっては、僕らがそういう存在になるかもしれない。その体験が子どもたちの夢につながったり、人生の障壁にぶつかったときに、それをぶち破るパワーになるかもしれない。

 だから僕は、自分が得意なことを一生懸命やっている姿を、子どもたちに見せたい。それを伝えることが、その子たちの人生に何らかの影響があるはずだと信じています。

■何事にも全力で向き合ってほしい

 吉野北人:音楽には大きな力があります。僕自身が音楽に救われたので、今度は表現者として、子どもたちに音楽の力や素晴らしさを伝えたい。それはダイレクトに伝わるものではないかもしれません。

 でも、ふとしたときに、僕らのことを思い出してくれたり、ワークショップの風景が蘇ったりして、自分もこうやってみようとか、頑張ろうと思ってもらえるかもしれません。もしかしたら憧れてくれるかもしれない。そういう願いも込めながら、一緒に頑張ろうよ! という気持ちでパフォーマンスしています。

 木村慧人:パフォーマンスで、がむしゃらにがんばっている姿を見せることを大切にしています。子どもたちには、何事においても、全力で向き合っている人はカッコいいと思ってほしいです。

 それをダサいと感じる人もいると思います。でも、それを覆すくらいの説得力があるパフォーマンスをすればいいと思っています。僕らのダンスを見た子どもたちがそう感じてくれたら嬉しいと思いながら、日々活動しています。

 ――子どもたちに向けた新曲「MORNING SUN」にはどのような思いを込めていますか? 

 吉野北人:「KIDS B HAPPY」のプロジェクトにふさわしい、子どもたちのために活動する「EXILE B HAPPY」ならではの曲になっています。子どもたちの目線で、これからの未来に羽ばたいていく背中を押してくれるような、彼らの未来を応援する気持ちを込めています。

 木村慧人:ダンスも勉強も頑張ろう、というポジティブなメッセージを詰め込んだ応援歌です。この曲を聴いて、励まされたり、明るい気分になってくれたら嬉しいです。僕らが本気でこの活動に取り組んでいることを、曲を通してもっと広く伝えていきたいと思っています。

 TETSUYA:プロジェクトメンバー全員で歌詞のキーワードを出し合って、子どもたちへの思いがたくさん詰まった曲になりました。ぜひミュージックビデオをご覧になってください。規模感が大きい、とてもハッピーな気持ちになれる、エンターテインメントになっています。

■社会におけるエンタメの役割

 ――EXILE B HAPPYはエンターテインメントの力で社会を変えようと取り組んでいます。社会におけるエンターテインメントの役割はどう考えますか? 

 TETSUYA:東日本大震災やコロナ禍のほか、ここ最近では自然災害がたくさんありました。そういうときに無力さを感じることもあります。ただ、タイミングなんです。いずれエンターテインメントが求められて、人々の心の支えになったり、地域経済の振興に寄与できるときがくる。

 それがエンターテインメントの力であり、役割の1つだと思います。EXILEでは、被災地を訪れて、さまざまな学びがありました。自分たちができることをしっかり考えてアプローチすれば、役に立てることはいくらでもあります。

 元気やパワーを与えるという言葉は抽象的ですが、それが目に見えてわかるリアルの瞬間があるんです。今回のような子どもたちへの影響も含めて、それを残すことができるのがエンターテインメントだということを僕らが証明していきたい。そういう強い気持ちがいつも湧いています。

 吉野北人:エンターテインメントには、無限の可能性があると信じています。人の心を動かすことで、救われる人がいたり、頑張ろうと思う人がいたりする。誰かのためになることは、社会のためになることでもあります。

 誰かの希望になれることを信じながら、誰かの原動力になるパフォーマンスを続けていくことが、僕らの社会における役割だと思います。

 木村慧人:先に言われてしまいましたが、同じ思いです(笑)。エンターテインメントには、誰かの人生を変える力があります。人を笑顔にして、楽しませる。そこから夢が生まれることもある。そんなパワーがエンターテインメントのよさであり、役割であると思います。

■子ども向けフェスやアーティストコラボが夢

 ――EXILE B HAPPYのゴールはどこに設定していますか? 

 木村慧人:まだ走り出したばかりで、ゴールが見えません(笑)。

 吉野北人:体操のお兄さんのように、全国の子どもたちが知っている国民的グループになりたいですね。それくらいの影響力があるグループになりたいと、漠然とではありますが、そう思っています。

 木村慧人:誰でも知っている国民的ソングを生み出したいですね。めっちゃ大きな目標ですけど、そういうグループになっていきたいです。

 TETSUYA:近い将来の夢は、子ども向けのフェスを開催すること。芝生のうえで、いろいろなダンスのワークショップがあったり、ダンスショーを見たり、参加もできる。遊ぶ場所がたくさんあって、映画も見られる。そんな大きなイベントが1つの目標です。

 あとは、LDH所属アーティストだけではなく、想いに共感していただけるようなアーティストさんや、子どもが好きだったり、子どもたちから人気がある方々とコラボもしていきたいと思っています。EXILE B HAPPYは共通する思いさえあれば、誰が来てもウェルカムなグループなので。そこから可能性をどんどん広げて、進化していきたいです。

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最終更新:5/25(土) 10:32

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