輸出は5カ月連続プラス、自動車生産の回復で-円安が追い風

5/22 8:53 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 日本の輸出は4月に前年比で5カ月連続増加した。自動車の生産回復を受けて輸送用機器の輸出が持ち直した上、円安も押し上げ要因となった。

財務省が22日発表した4月の貿易統計(速報)によると、輸出は前年同月比8.3%増。市場予想(11.0%増)を下回った。数量ベースでは3.2%減。ドル・円の平均値は1ドル=151.66円と、前年から14.7%円安に振れた。

認証不正問題の発覚で工場の稼働を停止したダイハツ工業や豊田自動織機が段階的に生産を再開し、輸出への負の影響が和らぎつつある。1-3月の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率2.0%減と、自動車の大幅減産が個人消費、設備投資、輸出の悪化につながった。GDPの半分以上を占める個人消費が物価高で停滞する中、景気の下支え役として輸出の拡大が持続するかどうかが引き続き焦点となる。

ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長は、輸出の増加は「自動車の生産が持ち直したのが大きく、海外需要もしっかりしている」と分析。「かつてほどではないが、円安によって数量がある程度今後は伸びる」とみている。

4月の輸出の品目別では自動車、半導体製造装置、半導体電子部品が伸びた。輸入は原粗油、航空機類、電算機類が増加した。

地域別の輸出では米国向けが8.8%増と31カ月連続、中国向けは9.6%増と5カ月連続のプラスとなった。一方、欧州向けは2.0%減で5カ月ぶりにマイナスだった。

輸入は8.3%増と2カ月ぶりのプラス。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は4625億円の赤字と2カ月ぶりのマイナスとなった。市場予想は2970億円の赤字。

関連記事:

--取材協力:野原良明.

(c)2024 Bloomberg L.P.

Bloomberg

関連ニュース

最終更新:5/22(水) 9:51

Bloomberg

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング