(ブルームバーグ): ボーイングは25日、経営陣の刷新を発表した。デービッド・カルフーン社長兼最高経営責任者(CEO)のほか民間航空機部門の責任者、会長を全員交代させる。最重要製品の「737MAX」を中心に発生した危機的状況に対処する。
発表文によると、カルフーンCEOは2024年末で退社。ラリー・ケルナー会長は再任へ立候補しない。民間航空機部門を率いてきたスタン・ディール氏は即日退職し、後任にはステファニー・ポープ最高執行責任者(COO)が就くという。
カルフーン氏はボーイング幹部を長年務め、米ゼネラル・エレクトリック(GE)やブラックストーン・グループでも勤務した経験がある。ボーイングで最も販売機数の多い「737MAX」を巡る危機への対応に追われる中でトップを降りることになる。
737MAXを巡っては今年1月、飛行中に機体の一部が吹き飛ぶ事故が発生。同社の製品の質や安全性への懸念からカルフーン氏やディール氏に対して顧客は不満を募らせており、事故から約3カ月たっても沈静化する気配はない。
米連邦航空局(FAA)のウィテカー長官は先週、ボーイングとそのサプライヤーに対して広範な調査を実施したところ、安全性に関する同社の文化に懸念が浮上したと述べていた。
米連邦航空局長官、ボーイングは安全性より生産を優先した-NBC
ニューヨーク時間25日早朝の時間外取引で、ボーイングの株価は一時2%上昇。年初から22日までで株価は28%下落し、ダウ工業株30種平均指数の構成銘柄のうち最悪のパフォーマンスだった。
原題:Boeing’s CEO to Step Down as Fallout Grows From Safety Crisis(抜粋)
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最終更新:3/25(月) 22:27
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