厚生年金、支給日の一度に「月額20万円(年間240万円)以上」もらう人はどれくらい?

2/1 13:05 配信

LIMO

今月2月13日は年金支給日で、老齢年金・障害年金・遺族年金を受給している人にとって一つの節目となります。「これからの暮らしや働き方をどう考えていけばよいのか」と思いを巡らせている方も多いのではないでしょうか。

現在の年金額は2025年度分が3月支給分まで続き、2026年度の年金額は4月分から新たに改定されます。

「厚生年金で月20万円を受け取っている人は、実際どのくらいいるのだろう」と気になる方もいるかもしれません。本記事では、厚生労働省が公表した最新データをもとに、年金受給額の実態と、働き方の変化が将来の年金に与える影響について、できるだけわかりやすく整理します。

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厚生年金、支給日の一度に「月額20万円(年間240万円)以上」もらう人はどれくらい?

厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の男女合わせた平均月額は15万289円となっています。受給額ごとの人数分布は以下のとおりです。

●厚生年金の受給額ごとの受給権者数
〈全体〉平均年金月額:15万289円

〈男性〉平均年金月額:16万9967円
〈女性〉平均年金月額:11万1413円
※国民年金の金額を含む

受給額の内訳を見ると、月15万円以上を受け取っている人は全体のおよそ半数に達しています。一方で、月20万円以上の受給者は18.8%にとどまり、男女間の平均受給額の差も大きいことがわかります。

将来の生活設計を考えるうえでは、こうした年金額の実態を踏まえたうえで、iDeCoの活用や働き方の見直しなど、自助の取り組みを組み合わせて備えることが重要といえるでしょう。

国民年金、5年連続で第3号被保険者(主婦)が減少「主夫は約13万人」

国民年金には複数の加入区分があり、その一つが「第3号被保険者」です。これは、厚生年金や共済年金に加入する第2号被保険者の配偶者で、一定の収入要件を満たす人が対象となります。令和6年度末時点の第3号被保険者数は約641万人です。厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をみると、女性の第3号被保険者の人数は5年連続で減少しており、就業構造の変化が背景にあることが読み取れます。

第3号被保険者の総数:約641万人

 ・男性:約13万人(+3.1%)
 ・女性:約628万人(▲6.7%)
大きな特徴は、本人が保険料を負担しなくても国民年金に加入扱いとなる点です。これは、配偶者が加入する制度側で保険料を負担するしくみになっているためです。加入手続きも配偶者の勤務先を通じて行われます。

●出産を機に変わる女性の就業状況
厚生労働省の「令和7年版厚生労働白書」からは、第1子出産をめぐる女性の就業動向が見えてきます。近年は出産後も働き続ける人の割合が増加しており、2015~19年には53.8%と半数を超えました。

一方で、1985~89年生まれの世代では、約37.4%が出産を機に離職しており、依然として出産を契機に働き方を変えるケースも少なくありません。

また、仕事を続ける場合でも、パートや派遣などの非正規雇用へ移行する人が多く、年収130万円未満に抑えることで第3号被保険者となるケースにつながっています。

●妻の家事・育児「1日7時間28分」負担は依然として女性に偏る
共働き世帯が増えている一方で、家庭内の役割分担にはなお大きな差があります。厚生労働省の「令和7年版 厚生労働白書」に掲載されている「日本の1日」は、国民生活時間調査などをもとに、男女が1日にどのように時間を使っているかを平均値で示した資料です。

この資料によると、6歳未満の子どもがいる家庭では、1日平均の育児・家事時間が、夫は1時間54分であるのに対し、妻は7時間28分にのぼっています。夫の家事・育児参加は年々進んでいるものの、依然として妻の負担が大きい状況にあり、仕事と家庭の両立を考えるうえでの課題が浮き彫りになっています。

厚生年金、加入対象の拡大「誰に、どんな影響が?」

2024年6月13日、働き方や家族構成に左右されにくい制度を目指した年金制度改正法が成立しました。これにより、公的年金制度は段階的に見直され、より多くの人が厚生年金に加入できる方向へ進んでいます。

改正の柱の一つが、社会保険の加入対象の拡大です。これまで第3号被保険者だった人が、第2号被保険者へ移行するケースも今後増えると見込まれています。

●社会保険に加入することで得られる主なメリット
社会保険に加入することで、将来の年金額だけでなく、障害年金や遺族年金などの保障も手厚くなります。たとえば、国民年金のみに40年間加入した場合の老齢基礎年金は年額約80万円ですが、厚生年金に20年間加入すると、基礎年金と合わせて年約92万円程度になるとされています。

●休業時の収入を支える「傷病手当金」
会社の社会保険に加入している人は、病気やけがで4日以上仕事を休んだ場合、傷病手当金として収入の一部を受け取ることができます。国民健康保険には同様の制度がないため、社会保険加入の大きなメリットの一つといえるでしょう。

●「106万円の壁」も見直しの検討対象に
パートやアルバイトで働く人の間で知られる「106万円の壁」については、月額賃金8万8000円以上という要件を含め、今後の見直しが検討されています。制度が変われば、働く時間を調整しながら、より柔軟な働き方を選択しやすくなる可能性があります。

まとめにかえて

本記事では、厚生年金の受給額の現状と、働き方の変化が年金制度に与える影響を見てきました。最新の統計によると、厚生年金の平均月額は15万円台で、月20万円以上を受け取っている人は全体の2割弱にとどまっています。

また、第3号被保険者の減少や共働き世帯の増加など、就業構造の変化は年金制度のあり方にも影響を与えています。今後は社会保険の加入対象が広がり、短時間勤務やパートで働く人でも、将来の年金や保障を充実させる選択肢が増えていくでしょう。

自身の働き方や年金の加入状況をあらためて確認し、iDeCoの活用や働き方の工夫も含めて、無理のない備えを考えることが将来の安心につながります。

参考資料

 ・厚生労働省「令和7年版厚生労働白書・日本の1日」
 ・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
 ・厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
 ・厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」
 ・政府広報オンライン「年金の手続。国民年金の第3号被保険者のかたへ。」

東大森 勝太

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最終更新:2/1(日) 13:05

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