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「いいよ。オレがやっとく」一見優しそうな上司でも密かに思いかねない【衝撃の本音】<本110冊が即売! 眠気が吹き飛ぶ社員研修(3)>

5/2 6:02 配信

ダイヤモンド・オンライン

 「眠気が一気に吹き飛ぶような熱い研修内容」「面白くて実用性の高い講義」「本当にすべてが新鮮で、時間を忘れるような30分間でした――」
4月の新入社員研修、たった1コマ30分の特別講演。話題の新刊『ビジネス会食完全攻略マニュアル』をテーマに担当編集者Sが講師として登壇したところ、なんと終了直後、書籍110冊が即売。
「こんなに買いたいと思ったのは初めて」「ビジネス会食や幹事の仕事に関する考え方が180度変わった」など熱烈な声が多数寄せられたのだ。
22,3歳の新入社員が行列をなして購入した『ビジネス会食完全攻略マニュアル』。一体なぜ、新入社員が瞳を輝かせるほどの支持を集めたのだろうか?
講演した担当編集者Sは「幹事などの“雑務”への向き合い方ひとつで、自分の人生が好転することを伝えたかった」と語る。
発売から1ヵ月で2.1万部を突破し、全国的に好調に売れている本書。100人超が熱中した「眠気が吹き飛ぶ研修」の一部を紹介する。

【本記事の内容まとめ】
「若手社員は、ある意味においては、“成長しづらい時代”とも言えるのです」
前回記事は上司は刺身が苦手なのに、海鮮居酒屋を予約した…「入社2ヵ月で幹事を任されたダメダメ新入社員」に待ち受けかねない【超悲惨な末路】<本110冊が即売! 眠気が吹き飛ぶ社員研修(2)>
● 「幹事の失敗」後なのに、なぜか周囲が優しい?

 今日は少し怖い話をします。
みなさんは、幹事を失敗してしまったことはありますか?
私もかつて、幹事を担当した会をとんでもなく悲惨なものにしてしまったことがあります(前回記事)。

 しかも、失敗の中でも、「怠慢による失敗」。相当ひどかったんです。

 しかし、私の場合は実は、その翌日会社に行くと、想像していなかった展開が待っていました。
なんと上司や先輩から、「意外なほどに優しいコメント」をもらえたのです。

 だいたい、以下のような内容です。ちょっと読んでみてください。

上司「まあいいよ。オレも任せっぱなしだった」
先輩A「お前、ちゃんとやれよなー」
先輩B「いいよいいよ! オレがやっとくから」
先輩C「手伝えることがあったら言ってね。」
パートさん「しょうがないわね~。ちゃんとしなさい!」
 いかがでしょうか。なんだか、皆さん優しいですよね。おそらくですが、私に限らず、今のご時世、一般的に皆さん概ね、大体こんなこと言ってくれるのではないかと思います。皆さんが幹事に失敗しても、おそらく同じような「優しいコメント」を受け取れるでしょう。

● 見せかけの「優しい言葉」に秘められた真意

 当時の私は、この言葉を文字通りに受け止めて、すごく安心していました。

 なんだ、「先輩方は優しいな」とここで思った人はいますか?
カンの良い人がたくさんいと思いますので先に答えを言ってしまうと、これは実はとんでもないことが裏で起こっているのです。

 おそらく、ここにいる皆さんはすごく察しがいいので、分かってらっしゃるかと思います。
ちょっと考えてみてください。

 これ、本当に、“優しい”コメントなんでしょうか。

 ――(会場はシーンと静まる)

● 現代は「言ってくれるほうが、優しい」時代

 ここからは大きな話になります。私は、現代は「言ってくれるほうが優しい」時代だと考えています。

 実際、さっきのコメントはすごい優しそうですよね。でも実際、上司・先輩の頭の中を覗けたとしたら、どんなことを考えているでしょうか。

 もちろん確証があるわけではありませんが、私は、上司・先輩のアタマの中は、こんな風になっていると思っていて問題ないと思います。

上司「まあいいよ。オレも任せっぱなしだった」
→(まだ大きい仕事は任せられないな)
先輩A「お前、ちゃんとやれよなー」
→(不安だ。客先にはとても連れていけない)
先輩B「いいよいいよ! オレがやっといたから」
→(これ以上事態が悪くなるのは困るからオレがやるしかない)
先輩C「次は手伝えることがあったら言ってね。」
→(手伝う姿勢見せないと私も怒られそう)
パートさん「しょうがないわね~。ちゃんとしなさい!」
→(子どもと同い年だから心配)
コメントの印象が変わったでしょうか。これ、オブラートに包まずに言えば、シンプルに「見捨てられている」ということに近いような気がしませんか?

ただこれは決して、先輩方の性格が良い悪いという話ではありません。ただただ、全員が全員との関係・コミュニケーションを円滑にしようと考えているがために、各々がこういう動きをするということです。実際、幹事のようなカンタンな雑務もこなせない社員に、これくらいの感想を持っても不思議ではありませんよね。

● 自分のキャリアを賭けてまで、部下を指導できるか?

上司・先輩は、若手社員を叱ったり、指導したりしづらい状況が続いています。
それは、10年20年かけて積み上げてきたキャリアを失うリスクを抱えているからに他なりません。

たとえば、1年目2年目の人に「コラ!」と指導をしたとします。そうすると、もしかするとその瞬間にハラスメントだと言って訴えられたり、部下に辞められたりしてしまうリスクすら、今の時代にはあるのです。
 だからこそ、上司・先輩はいつもどうしても、頭の中で「天秤」にかけて比較をします。

 「今、この目の前の部下を指導して育てるか」もしくは「自分がハラスメントとして訴えられるリスクを踏まえ、指導しないか」。少なからず、今の社会人はこの2つを比べて、「どっちが得か」をずっと考え続けているのです。

 「そんなの本質的じゃない」と思うかもしれませんが、世の多くのビジネスパーソンには守るべきものがあります。事実として、今の世の中はこういう状況になりつつあるのではないかと私は考えています。

● 「サイレント減点リスク」に気づいているか?

 まとめるとどういうことか。
私は、今の時代には、「何も言われず、特に指導もされないまま、黙って見捨てられてしまうリスク」があると考えています。これを「サイレント減点リスク」と名付けましょう。
私が新入社員としてこの会社に入った時には、まだちゃんと叱ってくれる先輩がいました。しかし、今の時代はそれがどんどん減っていると思います。

 つまり、「言ってくれる人のほうが、本当の意味では優しい」ということ。言うなれば、「自分のためを思って叱ってくれる人」と出会える確率が極めて下がってしまっている時代だということです。

だからこそ、皆さんがこれからスタートする社会人生活は、ある意味「成長するのが難しい時代」とも言えるのです。

(本記事は、『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』の研修の一部を抜粋・編集・加筆したものです)

ダイヤモンド・オンライン

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最終更新:5/2(木) 6:02

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