エンジニアードは“ウォームチタニウム”をキーカラーに内外装をコーディネートした上級仕様。輸入車唯一のフルハイブリッド技術、E-TECHの特徴を際立たせたグレードだ。WLTCモード燃費は25.2km/Lと経済的。
● 新グレード“エンジニアード” アルカナに続いてルーテシアにも設定
ルノーがE-TECHハイブリッドのために用意する新グレード、“エンジニアード”が、アルカナに続いてルーテシアにも設定された。エンジニアードは、既存のE-TECHモデルに対する上級車種というポジショニングになる。
仕立てはアルカナと同様だ。エクステリアではフロントバンパーにウォームチタニウムカラーのF1ブレードが追加されるとともに、サイドプロテクションモール、専用17インチアルミホイールを装着。リアバンパーにもウォームチタニウムの差し色が入り、フロントグリル、エンブレム、サイドプロテクターはブラックになる。
インテリアは、ウォームチタニウムのステッチが入った本革巻きステアリングや専用シート、ドアトリムに加えて、エアコンルーバーにもウォームチタニウムのインサートが入る。インパネやドアトリムの一部はカーボン調パネルになり、アルミペダル、専用キッキングプレートを装備する。
ボディカラーは落ち着いた印象のグレーとブラックの2色。レッドやブルーといった原色をまとったルーテシアを多く見てきた経緯もあって、別のボディと錯覚してしまうほどシックな出で立ちだ。
内外装を見て、昔からフランス車に注目してきたボクの頭に浮かんだのは、1980年代の後半、ルーテシアの前身、5(サンク)に用意されたバカラだった。バカラはエレガントさに気を配ったモデル。仕立ての内容は異なるものの、上質で品のいい空間が共通している。
● 5バカラの再来感じさせる 余裕のあるE-TECHハイブリッド
エンジニアードのE-TECHメカニズムはいままでどおり。1.6L直4エンジンに2基のモーターを組み合わせ、エンジン側にはドッグクラッチを用いた4速、メインモーターには2速のトランスミッションを用い、合わせて12通りの走行モードを持つ。エンジンスペックが91ps/144Nmと、アルカナやキャプチャーの94ps/149Nmより抑えられている点も、これまでと同じだ。
試乗はアルカナからの乗り換えだったこともあり、160kg軽いボディを生かした加速はダイレクト感にあふれていた。一方でエンジン音やロードノイズの遮断はアルカナほどではなく、車格の違いを教えられた。ただしエンジニアードにはBOSEのサウンドシステムが標準装備される。オーディオを楽しんでいるうちにノイズが気にならなくなったことも事実だ。
足回りの印象は素晴らしい。乗り心地は速度を上げるにつれてフラットでしっとりしたフィーリングになり、フットワークはルーテシアの持ち味である自然な身のこなしに、駆動用バッテリーをリアに積んだことによる重心の低さや前後重量配分の適正化が加わって、安定感が増していた。
かつての5バカラのエンジンは、他の多くのグレードが積んでいた1.4Lではなく、新世代の1.7Lだった。その結果、走りも上質に仕立てていたことを思い出す。余裕のあるE-TECHハイブリッドを得たエンジニアードは、その点でも5バカラの再来のように感じられた。
(CAR and DRIVER編集部 報告/森口将之 写真/山上博也)
ダイヤモンド・オンライン
最終更新:11/21(火) 17:02
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