楽天Gのドル債、発行額3000億円規模に増額-高利回りで需要強く

4/4 8:29 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 楽天グループは4日、ドル建て社債の発行額が20億ドル(約3030億円)に決まったと発表した。高い利回りに投資家の需要が集まり、当初検討した12億5000万ドルから増額となった。

償還期間5年のドル債を起債した。利率は9.75%。事情に詳しい関係者によると利回りは9.875%となり、当初想定された10%程度から低下した。複数の関係者によれば、80億ドル以上の投資需要があった。

楽天Gのドル債は1月に続き今年2度目。1月は3年債約2700億円を日本で上場する事業会社のドル債として過去最高の利回り12.125%で起債していた。今回債の調達資金は年内およびその後に満期を迎える社債の償還や買い戻しに充てる予定。同社は2025年にかけて7000億円規模の社債償還を控えており、再度のドル債発行で資金手当を加速する。

土屋アセットマネジメントの土屋剛俊社長は、起債は「楽天Gの信用リスクが落ち着いたことを物語っている」と指摘。調達コストは高く「損益的には悪くなる」とした上で、全く調達できないよりは良いとの見方を示した。

S&Pグローバル・レーティングは今回債の格付けを楽天Gの長期発行体格付けと同じ「BB」としている。ブルームバーグのデータによると、BB格債の平均利回りは6.64%。平均を大幅に上回る利回りで投資家を引きつけたが、楽天Gにとっては利払い負担が増すことになる。

楽天Gは発表資料で、前回のドル債発行後、多数の投資家から「より年限の長い次回債についての要望を受けた」ことなどを踏まえて発行条件を決めたと説明した。広報担当者は今後の資金調達について、ドル債のほか、個人投資家向け(リテール)社債を含め、あらゆる選択肢を排除しないと話した。

同社の信用リスクを表すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、トレーダーによると4日午前時点でミッド・スプレッド(ビッドとオファーの中間値)が390ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、3日の430bpを下回った。CMAのデータでは、取引されれば1日の低下幅として2月中旬以来の大きさとなる。4日の東京株式市場で楽天G株は一時前日比1.4%上昇した。

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--取材協力:Michael Tobin、Gowri Gurumurthy.

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最終更新:4/4(木) 14:09

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