1ドル=152円突破への警戒感強い、オプションがらみで円安加速も

3/28 16:39 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 円安進行のリスクが高まる中、ドル・円相場の次の重要な水準として1ドル=152円が注視されている。オプション市場のポジション状況が円安加速につながるリスクをはらみ、ストラテジストらは同水準が突破されれば、為替介入の扉が開かれると警告する。

日本の当局者からは投機的な動きに対して断固とした措置を講じるとのけん制発言があり、152円が当局にとって重要な水準だということは明らかだ。

そうした中、ヘッジファンドは、ドル・円相場が152円に近づくほど価値が上がるデリバティブ(金融派生)を数十億ドル相当保有していると推定されている。ただ、この取引では、契約時に設定したバリア水準を抜けると権利が消滅する。そうなれば、基になるオプション契約に関連して構築されたドル・円のショートポジション巻き戻しが誘発され、さらに円売りが加速するリスクがある。

野村インターナショナルのFXオプショントレーディング担当グローバル責任者、ルチル・シャルマ氏(ロンドン在勤)は、「ファンドマネジャーは、同水準の突破は困難だと見込んで、エキゾチックオプションのバリアに設定した」と説明。「市場はスポット相場がバリアを突破し、ドルが窓を開けて急伸する展開に対して、非常に神経質になるだろう」とみる。

シャルマ氏は、市場にはバリアを152-153円に設定した4月期限のエキゾチックオプションが数十億ドルあると見積もっている。

28日のドル・円相場は東京時間午後の取引で151円30銭前後で推移。前日には一時151円97銭と、1990年以来の水準までドル高・円安が進んだ。

この日は日本の当局から目立った動きはなかったが、27日には財務省の神田真人財務官が「行き過ぎた動きに対してはあらゆる手段を排除せずに適切な対応を取る」と言明。同日には財務省と金融庁、日本銀行が3者会合を開いており、神田氏は、投機的な動きを容認しない姿勢を強調した。

アムンディ・アセット・マネジメントの金利・為替戦略担当ディレクター、パレシュ・ウパダヤ氏は、「市場では、当局が示す越えてはならない一線が152円だと受け止められている」と指摘。「重要なのは当局のコミットメントだ」と付け加えた。

原題:Hedge Fund Bets Cement 152 as Level to Watch for Dollar-Yen(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:3/28(木) 16:39

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