(ブルームバーグ): 中国は低迷する経済を下支えするため、人民元の切り下げを余儀なくされるのではとの観測が、金融市場でひっそりと高まっている。これは極端で大きな議論を呼ぶ措置だ。
大幅切り下げ支持派は、中国当局が輸出を押し上げ、中国人民銀行(中央銀行)に利下げ余地を与えることにつながると主張する。一方、懐疑派は、資本流出と一段の元安のフィードバックループを招くだけで、世界の為替市場を不安定化させかねないと指摘する。
元切り下げは少数派の見解ではあるが、中国が景気刺激に向け手段を深く探り、金融・財政支援の断片的手法に失望した投資家の支持を得る中で、注目を集めている。2015年の衝撃的な人民元切り下げでは元建て資産が痛手を受け、中国の市場管理能力に対する信認の危機に発展したが、それ以来利用されておらず、物議を醸す選択肢だ。
中国人民元、20年ぶりの大幅切り下げ-輸出不振で通貨政策見直し
アンリミテッド・ファンズのボブ・エリオット最高経営責任者(CEO)は「一回限りの有意な切り下げは、はるかに効果的な戦略だ。最適な動きは、割安感のある水準に通貨を切り下げた後、その水準を維持することだ」と述べた。同氏の切り下げシナリオでは、元は10-20%下がると想定されている。
原題:Yuan Devaluation Debate Surfaces as Traders Mull Next FX Shock(抜粋)
--取材協力:Nishant Kumar.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Bloomberg
最終更新:4/29(月) 16:18
Copyright © 2024 Bloomberg L.P. 記事の無断転用を禁じます。
© LY Corporation