『Vポイント』活用に欠かせない!三井住友銀行の『Olive』とは?

5/21 19:30 配信

あるじゃん(All About マネー)

SMBCグループ各社で貯めて使える「Vポイント」が、『Tポイント』と統合し、〝新・Vポイント〟としてスタートしました。

テレビやネット上では大量のCMが流れ、注目度は大きく上がったものの、「仕組みがわかりにくい」という声も少なくないのです。その理由は『Olive(オリーブ)』ではないでしょうか。そこで、Oliveの基本と、それを踏まえた上でのVポイントのお得な利用法を解説します。

◆還元率の高さが魅力の「Vポイント経済圏」

Vポイントが話題となっている最大の理由は、還元率の高さ。一部のコンビニやファストフードで使うと、利用金額の7%分のポイントが還元されます。ひと昔前の〝スマホ決済競争〟で繰り広げられたキャンペーン合戦を彷彿とさせる〝大盤振る舞い〟といえます。

そして、誰にでもできる手続きで、7%よりもさらに多くのポイントを獲得できる方法があります。その不可欠の要素が『Olive』です。そして、このOliveこそが「Vポイント経済圏」の根幹となっているのですが、現状、イマイチわかりにくい存在となっています。

◆『Olive』とは通帳レスのWeb口座

三井住友銀行のホームページを見てみると、「Oliveとは、銀行や決済に加え、証券、保険等、必要な金融サービスを1つのアプリにまとめて管理・利用でき、基本特典に加えて、選べる特典やVポイントアッププログラムを提供し、お得な特典を提供するパッケージサービスです。」
と書かれています。残念ながら、これだとさっぱりわかりません。

そこで、改めて、分かりやすく説明をしましょう。

Oliveとは、シンプルにいうと「Web(ウェブ)口座」です。紙の通帳を発行せず、パソコンやスマホで入出金明細や残高照会をするタイプの銀行口座のことで、すでに、三井住友銀行に口座があれば、簡単な手続きで切り替えられます。Olive口座にすると、紙の通帳はなくなり、『Web通帳』に移行することになります。

◆『Olive』のキャッシュカードは1枚で4役をこなす

なお、Olive口座は、正式には「Oliveアカウント」という名称となっているのですが、これがOliveの分かりにくさの一因にもなっています。Oliveアカウントというと、何か特別なサービスのような感じがしますが、前述したように、紙の通帳がないWebタイプの普通預金口座です。三井住友銀行に口座がない人は、最初から選択でき、オンライン上で口座開設の手続きすることが可能です。

また、Olive口座を作ると、『Oliveフレキシブルペイ』が発行されます。基本的にはキャッシュカードで、クレジットカード+デビットカード+ポイント払いカードの機能も併せ持つという、非常に優れモノなのですが、こちらもOliveフレキシブルペイというと一気に分かりにくくなります。

この辺も、シンプルに「Oliveカード」とした方が伝わりやすかったのではないでしょうか。

◆誰でもできる還元率9%の方法

Olive口座にすると、冒頭で述べたように、ポイント還元率をアップすることができます。しかも、最大で20%にもなります。

現在のVポイントのポイント還元の基本は、クレジットカードの利用金額200円(税込)につき1ポイントが付与されるというもので、この時点での還元率は0.5%。それが、セブン-イレブンやローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、すき家、ドトールなど一部の店舗で利用した場合に7%になります。

ただし、スマホの「タッチ決済」で支払うことが条件となっており、Vポイントが貯まるクレジットカード(=各種の三井住友カードやOliveフレキシブルペイなど)をスマホに登録しておかなければなりません。なお、クレジットカード現物でのタッチ決済だと5%になる点には注意してください。

そして、Olive口座を持っていれば、設定されている条件をクリアするごとに還元率は上がります。20%に達するには、提携するSBI証券で資産運用をしたり、住友生命の保険に加入したりとハードルが高くなりますが、簡単にできるものもあります。三井住友銀行のアプリに月1回ログインすると+1%、Olive口座の特典で「Vポイントアッププログラム+1%」を選ぶと+1%、それぞれアップします。つまり、Olive口座があれば、労せずして合計9%のポイント還元を受けることができるのです。これを利用しない手はありません。

◆ネット銀行としてのサービスも充実

実は、他にもOlive口座のメリットはあります。例えば、他行あての振込手数料が月3回まで無料になる、三井住友銀行と三菱UFJ銀行の店舗外ATMの時間外手数料が無料になる、などです。

通帳レスのOlive口座は、使い勝手やサービス内容はネット銀行に近いといえますが、こうした無料特典は既存のネット銀行を凌ぐものになっています。

これまで説明をしてきた大盤振る舞いのキャンペーンは、もちろん、「Vポイント経済圏」の認知度を高めることが狙いでしょうが、切り替えを含めたOlive口座の普及も大きな目的と想定されます。

紙の通帳は、銀行にとってかなりの重荷となっているからです。1口座あたり年間200円の印紙税に加えて、印刷代や管理費などの諸経費がかかります。三井住友銀行の場合、紙の通帳の発行は年間400万冊あるそうで、1冊あたり500円かかるとすると年間20億円程度に上ります。

コンビニやファストフードでの高還元率キャンペーンは、2021年2月から5%で始まりました。短期的な施策と思われましたが、対象店舗が拡大するとともに、2023年7月からは現在の7%にアップしています。サービス内容が手厚くなっている背景には、口座維持費のコスト削減効果が思いのほか大きいのかもしれません。とはいえ、いつ還元率が改悪されてもおかしくないお得なキャンペーンですので、利用できる人は検討してみてはどうでしょうか。

文:松岡 賢治(ファイナンシャルプランナー、マネーライター)

シンクタンク、証券会社で、国内マクロ経済と債券市場のマーケットアナリストとして従事。独立後、ファイナンシャルプランナー資格を取得して、執筆を行う。クレジットカードや金融機関のオンライン・バンキング、電子マネーの動向に詳しい。

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最終更新:5/21(火) 19:30

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