東京為替見通し=ドル円、底堅い展開か 本日からのFOMCでのタカ派的利下げ観測で

12/17 8:00 配信

トレーダーズ・ウェブ

 16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4.4106%前後まで上昇したことで154.48円まで上昇した。ユーロドルは1.0475ドルまで下落後、1.0522ドル付近まで持ち直した。ユーロ円は日銀の早期利上げ観測が後退する中、162.21円まで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、本日から開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的な利下げ観測から底堅い展開が予想される。

 FOMCでは、0.25%の利下げはほぼ確実視されているが、来年1月20日の第2次トランプ米政権発足後の28-29日のFOMCでは据え置きが見込まれているため、タカ派的な利下げと見なされておりドル買い要因となっている。

 リスクシナリオは、パウエルFRB議長の発言「利下げを急ぐ必要性はない」の通りに据え置きだった場合、そしてドット・プロットでのターミナルレート(利下げの最終到達点)が引き上げられた場合となる。

 ドル円は154円台に乗せているが、この水準は、7月の日銀金融政策決定会合で円安抑制のために0.25%への利上げが決定された水準であり、4月にトランプ次期米大統領が「アメリカの製造業にとって大惨事」と懸念を表明した水準でもある。

 今週の日銀会合は利上げ見送りがほぼ確実視されており、日銀はある程度の円安を容認していると思われるものの、トランプ次期米大統領による突発的な円安牽制発言には引き続き警戒しておきたい。

 18-19日に開催される日銀金融政策決定会合では、昨日まで内外5つのメディアが「利上げ見送り」と報じていることで、利上げ見送りはほぼ確実だと思われる。日銀会合での利上げ見送り報道以外の円安要因を確認しておきたい。
・石破首相「現時点ではデフレ脱却には至っていない」
・本邦機関投資家による大口の米国同業者の買収報道
・中国による積極的な金融・財政スタンスと人民元安検討報道

 一方で、植田日銀総裁や中村日銀審議委員が利上げの条件としていたデータは以下の通りにほぼオントラック(想定通り)となっている。
・10月コア全国CPI:前年同月比+2.3%
(※11月コア全国CPI:予想 前年同月比+2.6%)
・11月東京都区部CPI:前年同月比+2.2%
・10月実質賃金:前年同月比横ばい
・11月輸入物価指数:前月比+1.5%、前年比-1.2%
・12月調査日銀短観(大企業製造業の業況判断指数DI):+14
・7-9月期実質GDP改定値:上方修正(前期比+0.3%、前期比年率+1.2%)

 ドル円のテクニカル分析での上値の目処としては、11月15日の高値156.75円、7月3日の高値161.95円から156.75円を経由する抵抗線(12/17:155.65円~12/20:155.50円)、156.75円から148.65円までの下落幅の76.4%戻しの154.84円などが挙げられる。

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最終更新:12/17(火) 8:00

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