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「脳が衰える人」が食事中“無意識”にしていること 「休んでもとれない”脳疲れ”」を超回復する簡単すぎる方法は?

4/18 9:02 配信

東洋経済オンライン

「先延ばし」は多くの人にとって悩みの種です。
「とにかく1分だけやる」「作業をできるだけ小さく分けてやる」「ご褒美を用意する」
「先延ばし」を克服する本や、コツは世の中にあふれていますが、そのコツさえ実行するのを先延ばしにしてしまう! 
そんな方が多いのではないでしょうか。
そんな「ずぼら」だけど、変わろうとしている「マジメ」な人のために、禅という新たな視点から行動する技術をまとめたのが新刊『クヨクヨしない すぐやる人になる 「心の勢い」の作り方』です。

著者である禅僧・精神科医の川野泰周氏と経営コンサルタントの恩田勲氏によると、マインドフルネスのルーツである禅には、「心を落ち着かせる」要素だけではなく、「心を勢いづける」モメンタムの要素も多く含まれていると言います。
「締め切り前のレポート執筆」「転職」「結婚」など、心に勢いがあるとき、人は超行動的になります。そんな「心の勢い=モメンタム」を意図的に作り出す方法を紹介いたします。
以下では、「脳の疲労」について解説します。

■休んでもとれない、しつこい脳疲労

 私たち現代人は、身体の疲れよりも脳の疲れのほうが、ずっと深刻です。

 困ったことに、身体の疲れと違って、脳の疲れは一晩寝たぐらいでは回復しません。

 それでいて脳の疲れは自覚しにくく、放ったらかしにされがちです。

 それがあるとき、原因不明の体の不調や、集中力の低下、心の病、幸福感の低下など、さまざまな症状となって表れるのです。

 それでも放置していると、不眠や自律経失調症、うつなど、さらに深刻な症状を招くことがわかっています。

 「なんだかパッとしない、動けない」のも、あなたがまだ自覚していない、脳の疲れのせいかもしれません。

 なぜ、私たちの脳は疲れているのでしょう。

 背景にあるのは、例えば現代の「情報過多」です。

 インターネットの登場により、私たちの脳が処理しなければならない情報量は、それ以前に比べて、数十倍規模に増えました。

 スマホによって、それはさらに加速。四六時中、SNSをチェックしたり、ゲームをしたりと、脳は休む暇がありません。

■スマホ見ながら食事は全然休めていない

 「マルチタスク化」も進んでいます。

 職場では、複数のタスクを同時に処理する「マルチタスク」が常態化しました。

 仕事Aについてアポイント入れを進めながら、仕事Bの資料を作成し、仕事Cに関する会議に出席して、仕事Dの仕込みをする……。

 このように「〇〇をしながら、〇〇をする」状態が当たり前になっています。

 日常生活のなかでもマルチタスク化は進んでいます。

 スマホ見ながら食事。

 通勤しながら勉強、音楽を聴きながら読書。

 誰に命じられたわけでもないのに、効率を重視する傾向も相まって私たちは「○○しながら○○」を続け、脳に疲れをため込んでいます。

 その結果、何が起きたか。

 私たちの生活から「一つのことに意識を集中する」時間が消えました。

 私たちは、いつも何かをしながら別のことを考えていて、「心ここにあらず」の状態で過ごしています。

■「心ここにあらず」が疲れる原因

 脳科学は、この「心ここにあらず」を「マインドワンダリング」と表現します。

 私たちの心(マインド)は常にさまよっている(ワンダリング)。

 現代を生きている限り、マインドワンダリングから逃れるのは至難の業です。

 脳が疲れている直接の原因が、これです。

 というのも、脳科学の研究によると、マインドワンダリング中の脳はエネルギー消費が激しいことがわかっているのです。 

 それは、脳にある神経回路 「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」 によるものです。

 デフォルト・モード・ネットワークとは、解決方法が定まっていない問題についてあれこれと考えをめぐらせるときに活性化する神経回路のこと。

 なお、マインドフルネスと密接な関係にあるとされる脳内ネットワークが、さらに2つあることがわかっています。

 目標実現のために計画を立てたり、ゴールに向かって集中的に作業したりするときに活性化する「セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク(CEN)」と、DMNとCENを切り替える働きを持つ「セイリエンス・ネットワーク(SN)」です。

 DMNが消費するエネルギーは、脳全体の消費エネルギーのなんと6割以上におよぶとされています。

 さらに、現代人は起きている時間の50%近くをマインドワンダリングの状態で過ごしているという報告もあります。

 これでは、私たちの脳がエネルギー切れを起こすのも当然です。

 では、どうしたら脳の疲れがとれるのでしょう。

 身体の疲れをとる方法なら、マッサージやエステ、お風呂と、たくさんあります。

 若い人なら、一晩眠るだけで身体の疲れはとれてしまうでしょう。

 ところが、脳の疲れは「一晩眠れば治る」というわけにはいきません。

 意識してケアしないと、脳の疲れは蓄積し続けます。

 一番簡単な方法は、歩きながらマインドフルネスを実践することです。

 通勤中、移動中など、歩きながらできるので忙しい方にもピッタリな方法です。

■歩行瞑想 足裏の感覚を追いかける

 「歩行瞑想」あるいは「マインドフル・ウォーキング」と呼ばれることもあります。

 ここでは「観察」がポイント。観察するのは、足の裏の感覚です。

 足の裏の感覚に意識を向けやすくするため、歩くスピードをぐっと落としましょう。

 さらに一歩を、

(1)かかとがあがる
(2)つまさきがあがる
(3)空中を足が移動する
(4)足が着地する
 の4つに分割します。

 かかと、つまさきの順で床や地面を離れ、足の裏が体重から解放されたときの感触、空中に浮いた足が移動し、かかとから着地して床や地面の感触が足裏に戻ってくる感触を、味わいましょう。

 最初のうちは「かかとがあがった」「足が着地した」などと心のなかで唱えながら歩くと、感覚を追いかけやすいと思います。

 歩くスピードをあげようにもあげられないので、周囲に人ごみや車のない静かな場所で行うのがおすすめです。

 その分、足裏の感覚に集中しやすく、仕事の合間に部屋を一周するだけでも、効果はてきめんです。

■難しい人のためにより簡単な方法

 「一歩を4つに分割する」感覚が難しい、という方のために、より簡単な歩行瞑想もご紹介しておきましょう。

(1)普段通りのスピードで歩きながら、
(2)「右、左、右、左」と足の裏の感覚に注意を向ける

 やることはこれだけですが、一つ注意してください。

 「右、左、右、左」というリズムに合わせるように歩くと、瞑想ではなく「行進」になってしまいます。

 コツは、ゆっくりと歩きながら、足の裏の感覚を「実況中継する」あるいは「後から追いかける」ように、心のなかで「右、左、右、左」と唱えること。

 これで瞑想になります。

 そして慣れてきたら「右」「左」といった言葉を手放して、ただ足の接地感覚を左右交互に追っていくようにしましょう。

 人が見れば、普通に歩いているのと変わりません。

 通勤・通学などの移動時間や、散歩の合間などに取り入れて、脳の疲れをスッキリと手放しましょう。

東洋経済オンライン

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最終更新:4/18(木) 9:02

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