5月は熱中症に要注意!管理栄養士が教える「超シンプルな予防法」とは?

5/7 20:02 配信

ダイヤモンド・オンライン

 熱中症は夏に起こるものと思っている方も多いのではないでしょうか?しかし、実は梅雨入り前の5月頃から熱中症にかかる人が増えてきます。特に5月は、まだ汗をかくことに慣れていないため、発汗がスムーズにいかず、熱中症のリスクが高まります。今回は、熱中症の原因と予防するための「水分の取り方」をお伝えします。(管理栄養士 岡田明子)

● 熱中症の原因と症状 寝不足や飲み過ぎにも要注意

 熱中症とは、暑さが原因で起こる体調不良の総称です。熱の産出と放散のバランスが崩れると、体温が急激に上昇してさまざまな症状が起こります。熱中症を引き起こす原因は、「環境」「体」「行動」の3つが考えられます。

 【環境】
気温が高い、湿度が高い、風が弱い、日差しが強い、急に暑くなる、締め切った屋内など

 【体】
栄養が不足している、寝不足、お酒の飲み過ぎ、風邪や下痢などでの脱水症状など

 【行動】
激しい運動、長時間の屋外作業、水分補給不足など

 また、暑い室内や屋外の炎天下で次のような症が出たら、熱中症にかかっている危険性があります。

 ・めまいや立ちくらみ
・顔がほてる
・筋肉のけいれん
・体がだるい
・吐き気

● 1日にどのくらい水を飲めばいい?

 熱中症予防でポイントとなるのが「水分」です。私たちの体にとって、水分は栄養と同様に大切です。水分が不足して起こる「脱水症」は、十分な水分補給で予防できます。

 人は、体に必要な水分を血液やリンパ液、唾液、消化液、尿などの体液として蓄えています。体液には、体の状態を維持する大切な役割があります。

 体重に対して、乳児は約70%、成人男性は約60%、高齢者は約50~55%の水分が蓄えられていると言われています。

 水分量を保つためには、1日に入る水分量と出る水分量のバランスを保つことが大切です。尿や便、呼気、汗などの排せつから、1日におよそ2500mlの水分が失われます。それを補うためには、飲み物や食べ物から同じだけの水分を、取り入れなければなりません。

 体格や食事内容にもよりますが、食べ物に含まれている水分を除き、飲み物から最低でも1日1200mlほどの水分を取ることが推奨されています。

 1日にどのくらい水分を取っているのか、いつも使っているコップで計算しておくのも目安となります。1200mlに満たない場合は、食事に汁物を追加したり、意識して水分を取るようにしていきましょう。

 体液は、真水ではなく、ナトリウムやカリウムなどの電解質と呼ばれる成分を含んでいます。大量に汗をかいて水分を失った場合、電解質を含まない水だけではなく、電解質を含んだ経口補水液で水分を補うようにしましょう。

 経口補水液は、医学的知見から水にナトリウムやカリウムなどの電解質の塩分と糖分を一定の割合で配合設計された飲料で、水分や塩分を体に素早く吸収させます。そのため経口補水液は、たくさん汗をかいた際に飲むことで、脱水症や熱中症の予防に役立ちます。

● 水分はこまめに補給 利尿作業がある飲み物は控えて

 水分補給のポイント(1)
 熱中症の予防は、日常生活の中でこまめに水分補給することが大切です。一度にたくさん飲んでも排せつされてしまい、蓄えられません。1日に1200mlの水分を取ることが望ましいとされていて、コップ1杯200mlで分けると、6杯以上飲む必要があります。

 水を飲むタイミングを次のように決めて習慣付けると続けやすくなります。

 起床時に1杯
朝食事に1杯
昼食の合間に1杯
昼食時に1杯
間食時に1杯
夕食時に1杯
入浴前に1杯
寝る前に1杯

 特に、起床時と寝る前は、睡眠によって水分を取らない状態が長時間続くので、必ず飲むようにしましょう。

 1日の水分摂取は、飲み物からだけではなく、水分を含む食品からも摂取できます。レタスやキュウリなどの野菜、スイカやミカンなどの果物には水分が多く含まれています。

 水分補給のポイント(2)
 水分を取っているつもりでも、汗や尿などで出ていく分を考慮しないと、いつの間にか水分不足になっていたということもあり得ます。利尿作用がある飲み物は控えるのがベターです。

 ・アルコール
アルコールには利尿作用があり、飲むと通常より尿の量が増えます。お酒を飲んだ分以上の水分が尿として排出されるため、お酒はほどほどにするか、お酒を飲んだときは意識していつもよりたくさん水分を取るようにしましょう。

 ・お茶、コーヒー
お茶やコーヒーは、アルコールと同じように利尿作用のある「カフェイン」を含んでいます。毎日飲む習慣がある人は、飲むのは朝だけにする、いつも飲んでいるお茶やコーヒーを数杯は水にかえるなどの工夫をしましょう。

 ・ジュース・スポーツドリンク
甘いジュースには、糖分が多く含まれていて、飲み過ぎると血糖値が上昇し急性の糖尿病を招く可能性があります。スポーツドリンクにも糖分が含まれていますので、飲み過ぎには注意が必要です。

 急に暑くなっても体が暑さに慣れていないため、インターバル速歩を習慣的に行うのもおすすめです。3分間早歩きをし、その後、3分間ゆっくり歩くことを1日5回ほど、3日~4日続けます。すると、暑さに対して抵抗力が高まっていきます。

 何はともあれ、水分補給が熱中症予防の大前提です。今回のポイントを実践して、これからの季節を乗り切りましょう。

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最終更新:5/17(金) 16:51

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