資産億超えリーマンが伝授、3つの「買いポイント」  高配当株で爆益狙う考え方とは?

4/1 8:02 配信

東洋経済オンライン

新NISAが始まったことで、高まっている投資機運。しっかり儲けている人は、どんな考え方で投資してきたのでしょうか? 
2023年10月時点で、1億4,300万円の資産を保有する兼業投資家・なのなのさんの書籍『月41万円の“不労所得”をもらう億リーマンが教える 「爆配当」株投資』より一部抜粋・再構成してお届けします。

■新NISAで実践したい高配当スクリーニング

 2024年から「新NISA」が始まりました。投資の利益が非課税になることは変わっていない一方、年間で投資できる上限金額が引きあがったり、非課税期間が無制限になったりするなど、従来のNISAよりも魅力的な制度となっています。

 しかし、新NISAをきっかけに実際に株式投資を始めようとしてインターネットなどで色々と調べてみたのはいいものの、耳慣れない言葉が羅列していたことで、投資することをあきらめてしまった方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、投資初心者の方でも比較的簡単に取り組むことができる「高配当株」のご紹介をしたいと思います。

 高配当株はどのようにして選べばよいのでしょうか。

 ここからは、2023年6月現在、日本で上場している約3900社の中から、具体的にどのようにして高配当株を探し、買っていけばよいか、話していきたいと思います。

 注目すべきポイントは「配当利回り」「業績」「増配」の3つです。それぞれ解説していきます。

■高配当株の「買いポイント」

(1)配当利回りが4.0%以上であること
 まず、「配当利回り」についてです。配当利回りは購入した株価に対して、年間どれだけの配当を受け取ることができるかを示す数値です。この配当利回りについて、4.0%以上を買いの基準として設定することをお勧めします。

 配当利回り4.0%以上を買いの基準とすることについて、根拠を説明することはなかなか難しいのですが、挙げるとすれば次の3つとなります。

 1.投資の成績が安定・向上した実績から設定

 私自身の株式投資経験の中で、初期のころは特に明確な売買基準を定めておらず、そのため投資収益は全く安定していませんでした。

 しかし、買いの基準を配当利回り4.0%以上に設定して以来、安定して収益を出すことができるようになりました。その経験則から、現在も配当利回り4.0%以上を買い基準として設定しています。

 2.株式益回りから算出

 日本株を買うとき、そのリスクを負担する対価として、投資家は株式益回り6~7%程度を求めていると言われています(「年金ストラテジー(Vol.270)」ニッセイ基礎研究所、2018年12月)。

 この投資家が求める株式益回りのうち、半分よりやや多めの60%程度を配当から得たいとしたとき、その水準は3.6%~4.2%となることから、その範囲内である配当利回り4.0%を買いの基準としています。

 3.資産が1億円あったときの平均年収との比較

 転職サービスdodaの調査によると、日本の正社員の平均年収は403万円となっています。

 例えば1億円の資産があり、全額株式に投資した時、配当金からこの平均年収を得るのに必要な配当利回り水準は、403万円÷1億円=約4.0%となることから、求める配当利回りの水準も4.0%としています(日本の正社員の年収中央値は350万円であるため、この中央値を基準として配当利回り水準を設定するときは3.5%となります)。

(2)売上・利益が右肩上がりであること(少なくとも利益のブレが小さいこと)
 つぎに、「業績」についてご説明します。

 配当は、外部から稼いできた利益が、元々貯めていた内部留保を原資として株主に支払われます。企業の利益が増えれば、配当は増える(増配)可能性が高まりますが、逆に利益が減少または赤字となった場合、配当は減る(減配)、または全く支払われなくなる(無配)可能性が生じてきます。

 また、単にもらえる配当が増えたり減ったりするだけでなく、増配・減配の発表が株価に大きな影響を与える(増配のときは上昇し、減配のときは下落する)ケースもよく見られます。

 増配可能性のある株を買い、減配可能性のある株を避けるようにするため、最低3年、可能であれば過去10年の売上と利益をさっとでもよいので確認するようにしましょう。

 また、会社の売上・利益推移をさっと確認した後は、今後も売上・利益が右肩上がりで伸びていきそうかについて留意しながら、決算説明書や決算短信を読んでいきましょう。

 例えば、景気の波に応じて黒字・赤字を繰り返している企業は、たとえ今期業績が好調であったとしても、次の景気悪化時に業績が低迷してしまう可能性は高いと言えます。

 過去の売上・利益の推移を確認して、できる限り右肩上がりの株を買い、それ以外の株は、他に理由がない限り投資対象から外すようにするのがよいでしょう。

(3)増配傾向にあること
 最後に「増配」についてです。

 「業績」とも関係しますが、増配傾向にある、少なくとも減配される可能性が低いことも高配当株を選ぶうえで重要な項目の一つとなります。原則として減配は株価にとってマイナス材料となります。また、減配によって高配当株投資家が期待している配当利回りを下回ってしまう可能性も出てきます。こういった事態を避けるためにも、増配傾向にある、少なくとも減配される可能性が低い銘柄を選定する必要があります。

■企業の配当状況の確認方法は? 

 それでは、企業の配当状況はどのようにして確認すればよいでしょうか。

 1.会社四季報やIR資料から確認

 企業の配当状況は、会社四季報やIR資料から確認することができます。少なくとも会社四季報から確認できる範囲でよいので、ここ最近において減配されていないか確認するのがよいでしょう。

 逆に、ここ数年増配傾向にある企業は今後も増配が続く可能性が高く、可能な限りそういった増配傾向にある企業、少なくとも減配可能性の低い企業を選ぶことが望ましいでしょう。

 また、決算説明書などで企業の配当政策について明記されていることもあり、それらIR資料を確認することにより、今後配当金がどうなっていくか予測を立てていくことも有効です。

 2.外国人投資家と増配企業の関係

 少し応用編の話になりますが、外国人持ち株比率が高い企業ほど増配される傾向にあるようです。

 外国人株主からの増配圧力がどの程度かかっているかは、会社四季報の【株主】欄に記載されている外国人持株比率を参考にするとよいでしょう。

 特に明確な基準はありませんが、だいたい外国人持株比率が25%を超えてくると、会社もその存在を無視できなくなってくるかと思われます。

(4)株価が割高でない=配当性向が高すぎないこと
 株価が割高でないことは高配当株を買ううえで重要なポイントの一つとなります。

 PERは、だいたい18倍以下であることが望ましいでしょう。PERが18倍を超える高配当企業は、配当性向が高くなりすぎているとも言えます。

 配当性向は、会社が当期純利益のうち、どれだけを配当金の支払いに充てたかを示す指標で、

・配当性向=1株当たりの配当金÷1株当たりの純利益×100
 から算出されます。

 配当性向が高いということは、得られた純利益の多くを配当金に充てており、今後業績が大きく伸びない限り、増配余地は小さいということを示しています。

 配当性向はだいたい50%を超えてくると少し高いかなという印象になります。

 また、PERと配当性向ともに高い高配当株は、今後業績が伸びない限り、株価の上昇によるキャピタルゲインを狙うことも難しくなります。

 もちろん、高配当株を買うときは、PERの他に営業利益成長率、営業利益率などの指標や、配当政策、ビジネスモデルなども参考にする必要はありますが、スクリーニングを簡易にかけるのであれば、だいたいPER18倍以下を条件とすればよいかと思います。

 今後の増配や株価上昇が期待できる銘柄を選択するためにも、できる限りPERと配当性向が高すぎない高配当株を買うことをお勧めします。

■株価が下がっても継続保有が基本スタンス

 ここまで高配当株を買うときのポイントについてお話ししてきましたが、株を買うときは、次のように買いの理由を3つ端的に言えるようにしておくとよいでしょう。

・買いの理由の例
1.配当利回り4.5%と高配当であること
2.ここ5年間、減配されていないこと
3.ここ3年毎年売上高が平均10%以上伸びているにもかかわらず、PERが10倍台であること
 後で確認できるようにするため、可能であればどこかにメモしておくか、X(旧Twitter)でつぶやくなどすることをお勧めします。

 もし、株を買った後、期待に反して株価が下がっていったとしても、買ったときの理由が崩れていなければ、保有を継続しても問題なしと考えます。

 また、買いの理由はできるだけ数字を用いるなど、定量的に示せるものである方がよいでしょう。定量的に示せるものであれば、買ったときの理由が崩れた時の判断や成功した時の再現がしやすくなるためです。

 今、投資の成績が安定していない人や、株価急落時に動揺して売ってしまうことが多い人(投資未経験なら、自分がそうであると思う人)は、株を買う理由が明確でないため、損切りしたほうがよいかどうかの判断が難しかったり、投資の再現性が限定的になってしまったりしているのではないでしょうか。

 安定した投資パフォーマンスを継続するためにも、数字を用いながら、買いの理由を3つ端的に説明できるようにしておくとよいでしょう。

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最終更新:4/1(月) 8:02

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