高い美容液より先にやるべきだった…美容皮膚科医が実践、肌老化の8割を占める《光老化》を防ぐ「日焼け止め3層塗り」

7/9 9:00 配信

東洋経済オンライン

本格的な夏を前に、日差しが一段と強まるこの季節。ビジネスパーソンにとっても、第一印象や清潔感を左右する「肌のコンディション」は、重要な自己投資・自己管理の一環といえます。
しかし、せっかく日々のスキンケアや美容医療に時間とコストをかけて投資していても、この時期の紫外線対策を誤れば、その努力の成果は一瞬で相殺されてしまいかねません。これからの季節、ビジネスのパフォーマンスを維持するのと同様に、戦略的な「肌の防御策」が求められます。

本記事は、美容皮膚科医の長尾沙也加先生の著書『美容ドクターが教える 一生使えるきれいのToDoリスト』より一部抜粋・再編集。今こそ知りたい日焼けの恐ろしさと対処法を分かりやすく解説します。

■スキンケアは「取る+足す+守る」

 私はスキンケアを「取る+足す+守る」の3本柱で考えています。

 「取る」は、汚れを落とすこと。

 「足す」は、足りないものを補うこと。

 「守る」は、ダメージを与えないこと。

 これを過不足なく適量で行うことが大切だと考えています。

 シミ・シワ・たるみ……あらゆる肌の悩みには、原因となる生活習慣があり、まずは日々の習慣を見直すことが、改善の第一歩です。

 また、せっかく肌が改善しても、その状態を保ち、「守る」ことができていなければ、元の木阿弥になってしまいます。

 「守る」がスキンケアの一番の基礎です。

 「守る」の中で大切なのは、紫外線ケア。最近は紫外線の恐ろしさもだいぶ知られるようになりましたが、あらためて心に留めていただきたいポイントです。

 紫外線がシミを引き起こすことは容易に想像がつくと思いますが、それだけでなく、シワやたるみも引き起こします。肌の老化には、大きく分けて光老化と加齢による老化の2つがあり、光老化がそのうちの約8割を占めているといわれています。

 その光老化を引き起こすのが紫外線です。紫外線による慢性的なダメージが蓄積すると、皮膚が厚くなり、ガサガサ、ざらざらと肌の質感が変化することも。さらに角質がきれいに光を反射しなくなることで、くすみを引き起こします。

 紫外線のダメージは、私たちが思っている以上に深刻です。せっかく美容医療を受けてもその効果が薄れてしまうほど。

 だからこそ、紫外線を防ぐ日焼け止めを毎日必ず塗って「守る」ことが、きれいのための最重要ToDoなのです。

 紫外線についてもう少し詳しくご説明しましょう。

 私たちの肌に作用する紫外線は2種類あります。UVAとUVBです。

 UVAは地上に届く紫外線の約95%を占めます。波長が長く、皮膚の真皮層まで深く浸透し、コラーゲンやエラスチンにダメージを与えます。その結果、シワ・たるみ・毛穴が目立つ原因になります。

 UVBは、波長が短く、主に肌の表面である表皮に影響を与えます。皮膚に炎症を起こしたり、メラノサイトを活性化してメラニンを増やし、シミやそばかす、肝斑などの色素沈着を引き起こしたりします。

 紫外線を浴びると発生する活性酸素は、コラーゲンやエラスチンを分解する酵素を過剰に活性化します。それもシワやたるみの原因になります。

 紫外線対策は「夏の外出時だけでOK」と思われがちですが、実は1年中必要です。UVBは7〜8月がピークで、冬には夏の約1/6まで降り注ぐ量が減少します。しかしUVAは冬になっても夏の半分程度しか減らず、年間を通して降り注いでいます。

 日焼けの原因はUVBに限らず、2〜3割はUVAによるものと考えられています。UVBと違い、UVAはガラスも通過するので、室内でも肌は年中UVAによるダメージを受けているのです。

 車を運転する方は、窓側の腕だけが日に焼けてしまうので実感が湧きやすいと思います。これはご自宅でも同じです。私たちは室内にいても紫外線を浴びています。私の体感ですが、採光の多い住宅やマンションの高層階では、紫外線がより多く差し込むため、居住者の顔には肝斑やくすみが出やすい印象があります。たとえ窓にUVカット加工を施していても、完全に紫外線を遮断できるわけではありません。遮光カーテンの使用や日焼け止めを塗るなどの対策が必要です。

■UVカット効果のあるコスメではなく、日焼け止めを塗る

 日焼け止め入りの下地やファンデーションはお得で便利と思って使用される方が多いのですが、あくまで補助的な効果しかありません。日焼け止めそのものを使用しましょう。その上からUVカット効果のある下地やファンデーションを使うとさらに効果的です。

 日焼け止めを塗るのは、スキンケアを済ませた後。洗顔後、肌に潤いを与えたらまず日焼け止めを塗り、それから化粧下地、ファンデーションという流れが推奨されています。日焼け止めを塗らずにUVカット効果のあるファンデーションを塗るくらいであれば、ファンデーションを塗らずに単体の日焼け止めを塗っていただきたいです。

 また、ほとんどの方は日焼け止めを塗る量が足りていません。大体の方は、普段お使いの量の2〜3倍を塗らないと、商品に記載されている紫外線カット効果は出ません。 「きっと足りていない」という前提で2度塗りしましょう。そうすると、必要量に近い量を塗ることができます。

 クリームタイプのものであればパール2粒分(1粒当たり直径約1cm)、ローションタイプであれば一円玉2枚分が目安です。しっかり塗りましょう。

 紫外線吸収剤は光や空気に触れると劣化が進むので、開封後は半年以内に使い切るのが理想的。毎日適量を塗ると1〜2カ月以内で使い切れるように、日焼け止めは1本当たり30〜60gの容量に設計されたものが多いです。日焼け止めの効果をしっかりと出すために、開封後半年以上経った日焼け止めは、まだたくさん残っていたとしても処分して、新しいものを使うようにしましょう。

■2時間おきに塗り直す

 朝塗ればバッチリ、一日中紫外線から守られる、と思っている方も多いのですが、実は日焼け止めは想像以上に落ちやすいこと、ご存じでしたか? 

 ・さわっただけで落ちる

 ・顔を動かすだけでヨレる

 ・汗や皮脂、ちょっとの摩擦ですぐ取れる

 SPFの持続には限りがあり、時間の経過とともに効果は低下していきます。

 また、汗や皮脂、摩擦によって落ちてしまうことはよく知られていると思います。

 さらに、表情が豊かな方はお顔がよく動くため、日焼け止めがシワに入り込んでしまい、日焼け止めが落ちやすくなってしまいます。

 だからこそ日焼け止めは、2時間ごとの塗り直しが基本です。どんなに高機能なものでも、塗り直しをしなければ効果は半減してしまいます。

 朝の出勤前に塗っていても、塗り直しをせずに一番紫外線が強くなる13時頃にランチで外出したとしたら、そのときにはすでに日焼け止めの効果は大幅ダウンしていることに! 

 「塗れているつもり」ではなく、「きっと落ちているから、また塗ろう」 という意識を持つことが大切です。メイクをしていると、塗り直しが難しいと感じるかもしれませんが、スティックタイプやパウダータイプなど、メイクの上から塗り直しやすいアイテムも増えています。ぜひ習慣にしていただきたいです。

■日焼け止めの3層塗りで防御

 徹底的に紫外線から肌を守るために、私は毎日最低3つの日焼け止めを塗っています。

 まず一つ目はウォータープルーフの日焼け止め。その上から、白浮きしにくい振って使うタイプの日焼け止めを重ねます。

 ノンケミカルと書かれている日焼け止めは紫外線散乱剤を使用していますが、紫外線散乱剤のものは白くなりやすいため、私自身は紫外線吸収剤のものを使っています。

 「日焼け止めのベタつきが苦手」という方は、たとえばSPF30程度の軽めのものを組み合わせて、2種類重ねるという方法もあります。テクスチャーや仕上がりを調整しながら、トータルのUV量を確保していくイメージです。

 最後に、パウダーの日焼け止め。メイクの仕上げに、SPF50のルースパウダーを重ねましょう。厚塗り感を避けるため、カバー力のないものをおすすめします。ここで必要なのはカバー力ではなく、紫外線カット効果です。

 そして日中は先ほどお伝えしたパウダータイプやスティックタイプの日焼け止めをつけ直し、日中のUVカット効果をキープするとよいでしょう。

 日焼け止めは塗りすぎて損することはありません。むしろこまめに重ねるくらいがちょうどよいと考えてください。

 「飲む日焼け止め」と呼ばれるサプリメントも話題です。私はUVに敏感で肌が赤くなりやすいので、外出するときには塗る日焼け止めとサプリを併用します。しっかり日焼け止めを塗っても、UVを完璧に遮断することは難しく、サプリで肌へのダメージを減らすのがねらいです。

 紫外線が特に強いのは、10〜16時。外出時には帽子やサングラス、長袖の服などで肌を物理的に守ることも大切です。

 日々の小さな習慣を積み重ねることが、将来大きな違いを生みます。ぜひ日焼け対策を毎日のスキンケアToDoに加えてみてください。

長尾 沙也加 :美容皮膚科医、THE ROPPONGI CLINIC代表

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最終更新:7/9(木) 9:00

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