セガンティが投資家に運用成績を報告、インサイダー疑惑発覚後で初

5/9 23:14 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): アジアのヘッジファンド運営会社セガンティ・キャピタル・マネジメントは、香港当局が同社に対する刑事手続きに着手して以降初めて、投資家に運用成績を報告した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

運用資産48億ドル(約7500億円)のセガンティ・アジア太平洋株式マルチストラテジー・ファンドは4月、運用成績が約0.3%のプラスだった。セガンティが提供した初期の推計データを基に関係者が明らかにした。前回の運用成績報告によると、同ファンドの1-3月(第1四半期)のリターンはプラス2.51%だった。

ヘッジファンドが投資家に運用成績の暫定データを報告すること自体は珍しいことではない。だが今回は、セガンティがインサイダー取引に関与した疑いで、香港当局から刑事責任を問われているタイミングで行われた。

セガンティはこれとは別に、業務は「通常通り」行われているとも述べ、投資家の不安払しょくに努めた。非公開の情報だとして匿名を条件に関係者が明らかにした。

セガンティの香港拠点の最高経営責任者(CEO)であるカート・エルソイ氏はコメントを控えた。

投資家に送付された運用成績報告によると、同ファンドは1-3月に、香港と中国本土の両方に上場している企業などの相対的価値に着目した取引に加え、アジアと欧州の株式資本市場取引を含む企業イベントなどから収益を上げた。

セガンティのマルチストラテジー・ファンドは、16年余りの運用実績があるが、年間でマイナスに陥ったのは2回にとどまる。そのため地域のヘッジファンド業界の中でも、最も安定した運用成績を上げているファンドの1つだ。

香港証券先物委員会は先週、セガンティと創業者のサイモン・サドラー最高投資責任者(CIO)、ダニエル・ラ・ロッカ元トレーダーに対する刑事手続きに着手した。2017年6月のブロック取引に先立ち香港上場企業の株式を取引した際、セガンティがインサイダー情報を得ていたと証券先物委は主張。同社は積極的に争う構えを示した。

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原題:Segantii Extended Gain in April Before Insider Trading Charges(抜粋)

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最終更新:5/9(木) 23:14

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