明日の戦略-大幅安で週間では4桁の下落、来週は米金利・為替・決算に一喜一憂か

4/5 17:14 配信

トレーダーズ・ウェブ

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東エレク35,010+70
西武HLD2,444.5+8.50

 5日の日経平均は大幅反落。終値は781円安の38992円。4日の米国では、3指数が終盤に崩れてダウ平均が500ドルを超える下落。これを受けて、寄り付きから500円を超える下落となった。半導体株を中心にグロース株の下げが大きく、前場では下押し圧力が強まる展開。ほどなく節目の39000円を割り込むと、11時近辺では38700円台まで水準を切り下げ、1000円近い下落となった。4桁安は回避して後場に入るとやや持ち直したものの、39000円近辺までで戻りは一巡した。13時辺りからは動意が乏しくなり、700円を超える下落で終了。終値で39000円を下回った。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆5100億円。業種別では繊維、陸運、石油・石炭などが上昇した一方、精密機器、証券・商品先物、電気機器などが下落した。軟調な地合いの中、西武ホールディングス<9024>など鉄道株が軒並み高。半面、東京エレクトロン<8035>が5%超下落するなど、半導体株が軒並み大幅安となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり566/値下がり1026。売買代金上位銘柄では、三井E&S、小林製薬、日立などが上昇。証券会社のリポートを手がかりに三菱地所や住友不動産など不動産株に買いが入った。業績上振れ観測が報じられたハイデイ日高が大幅上昇。決算や中長期経営ビジョンの改定などが好感されたオンワードHDが15.6%高と急騰した。

 一方、ディスコは業績に関するリリースで買われる場面があったものの、半導体株が強めに売られる中、失速して3%を超える下落。前日急伸した東電HDが大幅安となった。引け後に決算発表を控えた安川電機が3%を超える下落。決算を材料にダイセキとダイセキ環境ソリューションが急落し、ともに年初来安値を更新した。直近上場のアズパートナーズ、ソラコム、情報戦略テクノロジーなどが大きく値を崩した。

 日経平均は大幅安。派手な下落となってしまったが、米国の利下げが今年はないかもしれないといった話が出てくれば、大きく下げるのは仕方ない。特に半導体株は利下げ実施を前のめりで織り込む格好でこれまで買われていただけに、きょうは売られる筆頭となった。

 一方、プライムの値上がり銘柄を見ると、前引け時点では158銘柄であったのが大引けでは566銘柄と3倍以上に増えている。米国の金利動向が業績にあまり影響しない業種・銘柄もあるだけに、マーケットが変化する中で動きが変わってくるものを注意深くウォッチしておきたい局面だ。中東の地政学リスクにも注意を払う必要が出てきただけに、目先の物色に関しては内向き傾向が強まりそう。来週、決算発表が多い小売株はその条件に当てはまる。決算でポジティブな反応が見られる銘柄が多く出てくるかに注目したい。


【来週の見通し】
 波乱含みか。10日に米国の3月消費者物価指数(CPI)が発表され、この日に3月開催のFOMCの議事録も公表される。また、11日には欧州でECB理事会が開催される。足元では米国の利上げ時期や回数を巡って思惑が交錯しており、経済指標や中銀からのメッセージに長期金利や為替が大きく刺激されることになると思われる。国内では11日にファーストリテイリングが上期決算を発表予定で、決算を消化する12日がオプションSQ日。日経平均の振れ幅も大きくなる公算が大きい。日々各種材料に一喜一憂し、大幅高もあれば大幅安もあるといった荒い動きが続くだろう。


【今週を振り返る】
 大幅安となった。日経平均は4月1日は大幅高で始まったものの、期初の益出しと思われる売りに押されて500円を超える下落。2日は300円超上昇する場面もあったが、失速して2桁の上昇にとどまった。3日は台湾の地震が警戒されたほか、月次が嫌気されたファーストリテイリングの大幅安が響いて300円を超える下落。4日は300円を超える上昇となったものの安値引けと、不安定な動きが続いた。5日は米国の利下げ期待後退や地政学リスクの高まりを受けて700円を超える下落。1000円近く下げる場面もあり、39000円を下回って週を終えた。日経平均は週間では約1377円の下落となり、週足では2週連続で陰線を形成した。


【来週の予定】
 国内では、2月毎月勤労統計、3月景気ウォッチャー調査(4/8)、3月消費動向調査、5年国債入札(4/9)、3月国内企業物価指数(4/10)、3月マネーストック、3月都心オフィス空室率、20年国債入札(4/11)、オプションSQ(4/12)などがある。

 企業決算では、ウエルシアHD、クリエイトSDH、マニー、フジ、リソー教育(4/8)、イオンモール、USENNEXT、イオンFS、パルGHD、イオンディライ、カーブスHD、技研製(4/9)、7&I-HD、ABCマート、サイゼリヤ、吉野家HD、ライフコーポ、コーナン商事、イオン北海、コメダ、ベル24HD、イオン九州、MV東海、近鉄百、コシダカHD、ボードルア、ファンタジー(4/10)、ファーストリテイ、ローソン、SHIFT、ローツェ、久光薬、Sansan、ベルク、大黒天、タマホーム、乃村工、ウイングアーク、ハローズ、松屋、クリーク&リバ、進和、ABEJA、ブックオフGH、PRTIMES、FIXER(4/11)、良品計画、コスモス薬品、ベイカレント、高島屋、マネフォワード、竹内製作、ビックカメラ、QPS研究、パソナG、ELEMENTS、Gunosy(4/12)などが発表を予定している。

 海外の経済指標の発表やイベントでは、米3年国債入札(4/9)、米3月消費者物価指数、FOMC議事録(3/19~3/20開催分)、米3月財政収支、米10年国債入札(4/10)、中国3月消費者物価指数、中国3月生産者物価指数、ECB理事会(ラガルド総裁定例会見)、米3月生産者物価指数、米30年国債入札(4/11)、中国3月貿易収支、米3月輸出物価指数、米3月輸入物価指数、米4月ミシガン大学消費者マインド指数(4/12)などがある。

 米企業決算では、デルタ航空(4/10)、ファスナル、コンステレーション・ブランズ、カーマックス(4/11)、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、JPモルガン・チェース、ステート・ストリート(4/12)などが発表を予定している。

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最終更新:4/5(金) 17:14

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