ビットコイン「半減期」、採掘業者に打撃へ-1.5兆円の収入減の恐れ

4/15 8:49 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 暗号資産(仮想通貨)ビットコインの愛好家にとって、「半減期」と呼ばれる4年に1度のソフトウエアのアップデートは、ビットコインの価値を支える鍵の一つとされてきた。

今回の半減期は、ビットコインの円滑な機能を確保するマイナー(採掘業者)に対し、数十億ドル規模の収入の減少を引き起こす可能性がある。

今月20日ごろ、半減期によって採掘業者が取引を検証することで1日に獲得できるビットコインの数は、現在の900から450に減少する。ビットコインの現在の価格に基づくと、業界全体で年約100億ドル(約1兆5300億円)の収入減となる可能性がある。米マラソン・デジタル・ホールディングスやクリーンスパークなどの採掘業者は、収入の落ち込みを和らげるため、新たな機器に投資し、より小規模なライバルの買収を模索している。

コインシェアーズのデジタル資産アナリスト、マシュー・キンメル氏は「これは採掘業者が生産で大きな打撃を受ける前に、できる限り収入を絞り出そうとする最後の追い込みだ」と指摘。「収入が一夜にして軒並み減少する中、各採掘業者の戦略的対応とその適応の仕方によって、誰が優位に立ち、誰が後れを取るかが決まる可能性が高い」と述べた。

とはいえ、ビットコインは過去の半減期後に最高値を更新しており、マイニング(採掘)報酬の定期的な減少と事業コスト上昇による影響を緩和していた。今月の半減期を控え、ビットコインは既に2022年11月から4倍余り上昇している。

ただ、業界の成功の余地は小さくなっている。採掘業者は終わりのない技術的競争の中で、より少ない報酬のために、より多くの資金を使い続けていく必要がある。また、エネルギーを大量消費する検証プロセスのため、マイニングはこれまでも高いコストがかかっていたが、さらに現在では、急成長し、資金力のある人工知能(AI)業界との電力を巡る競争が激化している。

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原題:Bitcoin ‘Halving’ Will Deal a $10 Billion Blow to Crypto Miners(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:4/15(月) 8:49

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