トヨタ株、佐藤社長が最も押し上げ-トップ就任1年のパフォーマンス

3/29 15:28 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 佐藤恒治社長が就任してからのトヨタ自動車の株価パフォーマンスは、社長1年目として過去40年超で最高になった。

トヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売が合併して現在のトヨタが誕生した1982年7月からの歴代7社長について、トヨタ株(配当調整後)と日経平均株価の騰落率との差をブルームバーグが集計した。2023年4月1日に第12代社長に53歳で就いた佐藤氏は、29日終値で1年間の株価上昇率が日経平均を60ポイント上回り最高だった。第9代の張富士夫社長が28ポイントで続き、佐藤社長の下での株高が際立つ。

24年に入り株価上昇が加速し、時価総額が業界最大の米電気自動車(EV)メーカー、テスラと対照的な動きになっている。それでも予想株価収益率(PER)は11倍台、株価純資産倍率(PBR)は1.5倍台と依然として割高感はない。社長就任の全期間では日経平均を106ポイント上回った奥田碩第8代社長が最高だ。2年目を迎える佐藤社長は、環境変化が激しい自動車業界で企業価値の拡大を目指して巨艦トヨタのかじを取る。

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ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の吉田達生シニアアナリストは、企業体質改善の進展や、円安、在庫不足による売り手市場、EV一辺倒からの揺り戻しを含めて「株価に追い風の要因が佐藤社長1年目に重なった」と評価した。

その上で、今後は台数増や値上げが期待しにくく、グループ企業の不祥事を受けた足場固めも必要になると指摘。このため5月の決算発表で来期(25年3月期)減益予想が出ても驚かないとして「1年目ほどの株価の高パフォーマンスは期待しにくいのではないか」との見方を示した。

--取材協力:エディ・ダン.

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:3/29(金) 15:28

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