バンカー、香港の明るい材料発見-ロクシタンなど非公開化の動き活発

4/11 15:32 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): ディールメーキングの減速を受け、香港のバンカーはほぼ休業状態にあるが、活況を呈している分野が一つある。それは香港上場企業のバイアウトだ。

最近高い注目を集めているケースは、化粧品大手ロクシタン・インターナショナルだ。同社オーナーで資産家のレイノルド・ガイガー氏は、ブラックストーンから資金調達面での支援を得て、ロクシタンの株式を非公開化する合意に近づいていると、ブルームバーグ・ニュースが今週報じた。同社の14年にわたる香港上場に終止符が打たれる可能性がある。

他の大手企業では、旅行用かばんメーカーのサムソナイト・インターナショナルが挙げられる。同社はカーライル・グループやKKRなどが関心を寄せているにもかかわらず、株式非公開化の可能性を選択肢として残していると、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。その一方で、米国市場との二重上場も検討しているという。

中国の経済的苦境や、米国など他国との緊張をはらんだ関係が、この傾向を後押ししている。こうした緊張は、中国の比重が高い香港の株式市場に直接影響を及ぼす。コンサルティング会社アルバレス・アンド・マーサル(A&M)のマネジングディレクター、スオン・リュー氏は、多くの香港上場株が欧米に比べて割安だと指摘する。

同社のアジア取引アドバイザリーグループの共同責任者であるリュー氏は「2024年以降は株式非公開化の取引がさらに増えるだろう。これは始まりにすぎない」と述べた。

BNPパリバのアジアM&A(企業の合併・買収)責任者リチャード・グリフィス氏は、香港で企業をバイアウトし、他の市場で再上場することは、より高いバリュエーションを獲得するチャンスだと語った。

同氏は「克服すべき課題はまだ多いが、資金調達はより安定している上に、金利がピークを付けたことで、その道筋がより明確になっている」とし、「これらの要因は買い手候補により大きな信頼感を与えている。これはM&Aにとって重要だ」と指摘した。

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原題:Bankers Find One Bright Spot in Hong Kong as Buyouts Multiply(抜粋)

--取材協力:Dong Cao、Vinicy Chan、Pei Li、Charlotte Yang.

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最終更新:4/11(木) 15:32

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