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日本株「平成大暴落」を知らない若者たちに、そんなもの「知らないままでいい」と言える「投資法」と「最適銘柄10」を紹介します!【新NISA&iDeCoの最新活用術】

3/27 6:32 配信

マネー現代

「暴落論」を無視できる「投資法」

(文 田代 昌之) 私は、2003年4月に国内証券会社に入社した。金融人生をスタートした時点での日経平均株価は、7,607円だった。現在、4万円を超えた株価は、私の金融人生の間に5倍に上昇した姿である。

 前編「新卒入社してから「日本株が5倍」になったアナリストが、最高値更新に「平成バブル同質論」を叫ぶメディアに言いたいこと」で紹介したとおり、日本株がバブル最高値を更新し4万円台の高値更新をつづけている中で、「平成バブルのときのように、また日本株は暴落するだろう」という主張がメディアで見かけるようになった。

 平成バブルの暴落劇を、身をもって体験した先輩方からの警鐘ではあるが、金融人生をスタートして以来、日経平均が5倍超に上昇した私からすれば、違和感のある指摘だ。

 たとえば、平成バブルの絶頂の89年に日本株の投資を始めた人と、iDecoがスタートした2001年に投資をスタートした人では、日経平均が4万円に達した現状の捉え方は大きく異なる。ましてや投資の手法もまるで違う。

 今年から始まった「新NISA」をはじめる人たちは、後者の投資手法を学ぶべきだと私は考えている。私なりの投資法を紹介したい。

最高の「ライフプラン」と「投資術」

 今回、紹介したいのは、初心者にむけた実にベーシックな投資方法である。特に20~30代の人が社会人生活に一定の区切りがつくまでの約20~30年のスパンの長期投資の手法を提案したい。

 私が推奨するのは、「新NISA」と「401k(確定拠出年金)」を組み合わせて、長期投資することだ。

 具体的には、下記の5項目を実践することである。

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1.「新NISA」と「401k」を通じて投資を行う
2.投資期間は20~30年
3.401kは「オルカン」や「米S&P500」のインデックス投資信託を購入
4.「新NISA」のつみたて投資枠では「高配当銘柄」に投資する
5.「新NISA」成長投資枠では、「小型成長株(テンガバー)」を狙う
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 「新NISA」が話題となっているが、401kも活用した総合的なライフプランも踏まえた投資術を披露しておきたい。

忘れてはいけない「401k」の抜群の効果

 「新NISA」の特徴は、「利益や配当金に対する税金がかからない」という非課税制度であり、運用期間、つまりいつ買い、いつ売るかは個人の自由である。

 18歳以上であれば何歳でも利用可能で、いつ資産を取りくづして現金化しても構わない。ただし、弱点もある。せっかく配当やキャピタルゲインが非課税になる制度なのに、ダメ銘柄をつかんでしまえば、無配になったり、あるいは株価が下落してしまったりすると、そのメリットを享受できない。

 一方、401kのメリットは、掛金が所得控除の対象となり、たとえば月に2万円ずつ年間で24万円を投じていけば、所得からその分を割り引かれ、所得税が安くなる。弱点は、原則60歳以上になるまで資産を引き出すことができないということと、証券会社で扱う個別株を購入することはできないということである。

 どちらも長期投資の観点に沿った制度ではあるが、税優遇や運用期間の違いなど細部の違いを理解して選択する必要がある。

 401kは老後資産のためにと割り切って、オールカントリーやアメリカのS&P500などのインデックス型の投資信託を選んで若いうちからコツコツと投資していくことが効果的だろう。

 そのうえで、「新NISA」を活用し個別銘柄に挑戦していくのである。

「新NISA」の合理的投資法

 「新NISA」の投資法を端的にいえば、次のようになる。

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1.つみたて投資枠は、高配当銘柄か不動産投資信託(REIT)に投資
2.成長枠投資は、「テンバガー(10倍株)」狙いでグロース市場の主力銘柄に投資する
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 新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の二つが用意されている。
まずは、つみたて投資枠から考えていこう。

 つみたて投資枠で有効なのは、毎月コツコツと株を購入していき、高い時に小さく買い、安い時にたくさん買うという「ドルコスト平均法」を基本方針として投資を行う。その際の対象銘柄として、まずは好業績で高い配当が期待できるバリュー銘柄を選んでいこう。

 すでに成熟した企業で、株価自体は大きく上昇することは見込めないが、配当金を非課税で獲得していこうというのである。

 となれば、選ぶのは配当利回りの高い銘柄だ。その際、気を付けたいのが、たとえば、「今期は創業100年なので記念配当を出します」といった高配当銘柄はさけること。来期は記念配当が無くなれば、配当利回りは下がってしまう。

 好ましいのは、連続で増配している銘柄だ。足元の業績が安定していると、連続増配ができるので、長期投資向きだ。

REITも「つみたて投資」に最適!

 または、REITがおすすめだ。

 REITは、不動産への小口投資を可能にした「上場投資信託」である。本来、不動産に投資するには、ワンルームマンションからアパート1棟まで様々な投資対象となるが、いずれも大きな金額が必要となる。ところが、REITを通じて投資すれば、東京都心の一等地ビルに投資することができるのだ。

 REITは、不動産投資を小口で行うことも可能で、分配金(株でいう配当金)の利回りは4-5%と高い。価格はさほど動かない傾向もあるので、つみたて投資枠向きと言えるだろう。

 不動産市況は、東京都心の空室率は6%台で安定しており都市の一等地かつ設備が充実した物件であればテナントに選ばれやすい。日銀の利上げはマイナス要因だが、日本は「脱デフレ」を継続して目指しており、インフレ下の不動産市況は上向きとなる。長期投資の視点では、今のREITは十分投資対象として考えられるだろう。

 つみたて投資枠で私が推奨したい銘柄は、これから紹介する成長投資枠の投資法での推奨銘柄とあわせて、最後に紹介するのでそちらも見逃さないでほしい。

成長投資枠は「10倍株」を狙う!

 それでは、いよいよ成長投資枠の銘柄を考えていこう。成長投資枠は、安い時に銘柄を購入していつの日か「テンバガー(10倍株)」を狙うのはどうだろう。ここで投資の醍醐味を味わうのである。

 史上最高値を更新している日経平均とは異なり、東証グロース市場250指数は非常にさえない推移が続いている。つまり、まだ物色が進んでいない銘柄群である。

 大型株が一気に資金が投じられる上昇相場が一服すれば、次は中小型株に資金が向かう傾向にある。東証グロース市場250指数の上昇は、これからなのだ。

 さらに、東証が進めている「企業統治の強化」がグロース市場に浸透するのはこれからだ。

 東証は2022年4月の市場再編以降、各市場の魅力を高めるための改革を推し進めているが、てこ入れが進むプライム市場やスタンダード市場に比べ、規模の小さい企業が多く集まるグロース市場改革は、まだ議論が始まったばかりである。

 2024年1月に開催した市場再編に関する「フォローアップ会議」では、グロース市場の活性化に向けた対応策として、上場基準の引き上げや投資家向けの積極的な情報発信の促進などを提言したが、具体的なスケジュールはまだ公表されていない。

 つまり、グロース市場の本格的な企業統治改革はこれからといえる。海外投資家や機関投資家などの資金がまだ入っていない銘柄を今のうちに仕込めるチャンスが、グロース市場には残されているのだ。

新NISAで買いたい銘柄10

 それでは、最後に「つみたて投資枠」と「成長投資枠」で私が推奨したい10銘柄を一挙、公開しよう。

 なお、グロース銘柄で抽出した5社は、いずれも東証グロース市場コア指数20の銘柄である。グロース市場で時価総額が大きい銘柄でそれぞれ特徴があり、新興市場の主力銘柄といった位置付けだ。

ライフプラン投資が切り開く「新たな地平」

 これからの投資は「目先の結果を求める」のではなく、「数年後、数十年後のゴールに向けて投資を行う」というのがセオリーだと心得てほしい。

 決して、「日経平均が下落したから投資しない」とか、「上がりすぎているから投資しない」という考えは禁物である。

 上がっていても、下がっていても、予定通り購入していくのである。そして、むしろ大きく下落した場合は、貯蓄から投資へと資金を振り分けるチャンスだと考えておいてほしい。

 このことが理解できてはじめて、あなたの目の前に「魅力的な投資の地平」が開かれることになるだろう。

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最終更新:3/27(水) 6:32

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